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Farfallone.
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本当はアタシも、アンタの事が好きかもしれない。今まで色んな事が様々に捻じ曲がった恋ばかりしてきたけど。正当で。純心で。こんな気持ち、はじめてデス。 はじまりは初夏。アンタの存在を目で追っていたのなんてはじめ意味なんてもん取り立てて無かったけど、日に日に面を合わせたくねえ気安く話し掛けるんじゃねェって他人に抱く嫌悪とは違う、アンタは今どうしているのか誰と居るのか、何を想い何を考えているのか、気になるからに変わってた。そんな折、視線が合った時のあの喜悦。心臓が跳ね上がるってのはこういう感覚なんだと、アタシの人生ではじめて学んだよ。迎えた朝のひとときに。長い職務の節々に。夕方帰路に着く、その去り際に。アンタの事が気になって気になってしょうがなくなってた。 そっから夏の盛りを迎える間もなく、どこぞの馬鹿野郎ひとりの所為で連帯責任を負わざる得なくなったアンタは学園から姿を消して。このままもう二度と逢えなくなるんじゃないかと一時は傷心しかけたが、退場の前の日、昼飯の余暇。気分は底の底まで堕ちてるアタシの元を訪れたアンタが手を繋いでくれた事、忘れてねェよ今も。無論これからもだけど。はじめこそ誰が見ているかも知れねえ仕事中に野郎ー!オブクラッシャー!とか思いもしたけどさ、そんな事すぐどうでもよくなったにゃん。人目を憚るくせ決める時は決める、これでお別れなんかじゃないと言ってくれたアンタと、そんなアンタに心を預けるアタシのふたりを包み隠してくれるよう降る雨の中、ただひたすらに安心を感じてた。アンタの次の勤め先が決まるまでの間、気軽に来れる距離じゃない長~い道程を毎日毎日、アタシの終業に合わせて逢いに来てくれてありがと。誕生日にはアタシの大好物を腹いっぱい食べさせてくれて、それから可愛い服も買ってくれてありがと。本当に欲しかったのは好物でも服でもないアンタとアタシを繋げる確かな何かだったってのは、ここだけのヒミツ。有名どころの花火大会にも連れてってくれてくれたよな。ひと夏であれほど花火を見て廻ったのはなんだかんだ恋愛してきたけど、今まで一度も無かったや。アンタが隣に居てくれてるからこそ夜空に上がる綺麗大輪の菊の花、感動したよ。ありがとう。もう指を差して思う事は、アンタただ一択だ。 随分と今はそんな関係に慣れたのかそうじゃねェのか、電話やメールの連絡も以前ほどじゃあなくなっちまったけど。昔はさ、学園から帰って寝るまでの間は勿論次の日朝が早いのに夜更かしなんざしちまうほど、ふたり文字と声とで強く固く繋がっていた気がするんだよね。車の中でだってさ、手を繋いでくれたのに今はぜーんぜん。外でもたまに気付いてくれた時手を取ってくれるぐらいだし〜。はああ――…。さてはあれか、釣った魚に餌はやらないタイプか。え――っぐいにゃあぁあ――。ここまでアタシを惚れさせといてそれはねェよ。いや本当、割とマジでキツい。ずっと待ってるのに。アンタが伝えてくれる文字を聞かせてくれる声を、待ってるっていうのに。ひとりバカみたい連絡を待ち続けていても一日中平気で逢いに来ちゃくれない、そんなアンタの竿から逃げて他の何処かへ釣られに行く事が出来ないでいる。 知らないだろう。アタシがこんなにも、アンタのことを想っているということ。 > 知らないだろう。もう夜も眠れなくなっちまう位には、恋をしてるってこと。 .
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