無音の夜に過るアンタとの記憶。微かな痕跡辿って此処に着く度、不思議な感情に支配される。愛情とか、友情とか、もう自分でも良う分からんけど、俺にとって無くしたくない大切な繋がりやっちゅうことだけは確かで。
ぼんやりした記憶ン中から辛うじて掬い上げられるんは、中身も無いくだらん話して、阿呆みたいに笑い合うたこと。気紛れに捉まる鳩さんも、迷惑やろか…とか柄にもなく考えてもうて…。

散々待たせた前科の手前、あの頃に戻りたい、は流石に贅沢やって分かっとる…












でも書くぐらいええやろ。
思うのは俺の勝手やし、多分もう忘れとって見てへんやろう人間に文句言われる筋合いはない。ウン、どっかの誰かさんみたいに図々しく生きてこ。
真夜中にごちゃごちゃセンチメンタルなん俺らしく無いわ。寝よ。

>そもそも鍵合うとるやろか...

結末も中身も予想と遥かに掛け離れていた書籍。亜久津が今日も煙の匂いを纏ってる。外出した途端パラパラ落ちる雫と道端で出逢ったもふもふの毛玉。
変わらない日常の断片と確実に変化してる此の瞬間。俺とキミは…

空飛ぶシャボン玉。
触れた瞬間に崩れる儚さに魅了されて、壊れるって分かってるのに、何で手を伸ばすんだろう。

本当は空気の容れ物に閉じ込めたいのに。

此の季節の穏やかな屋上はホンマに至福の空間やと思う。隅に隠しとるレジャーシート引っ張り出してポカポカの陽射しン中、上半身は日陰に潜ってする昼寝。グランドの喧騒も程良え感じに鼓膜擽って、爽やかな風が吹き抜けてく。嗚呼…幸せや。あっという間に梅雨時季やろうし、束の間の幸福に毎日浸ってたい。

すげえ埃被ってるし！
つか、2年掛けて20ページしか書いてないってどんだけ遅筆だよ。西のスピードスターやらが聞いて呆れるっつーの。もう日記じゃなくて年記になるだろ。四天年記。ゴロも良いしいっそ改名しちまえばいいンじゃね？えっ、俺？俺はいいの。マイペースに書くって決めてっから。
風通しのいいとこに浮上しとくか。

唐突に御前との無駄に面白い会話が恋しくなる。話しとる間、面倒な事忘れられる。もう面倒な事も考える事も無くなってやっと楽になったのに人間の欲望は単純やから困ったモンやで。多忙なんも承知、他は有っても見えんふり。何ヵ月でも何年でも待てる忠犬はきっと相手やから出来るんやろうなァと今更。

期待をするのに疲れた。俺の唯一の取り柄ももう限界で、これ以上期待なんて出来へん。求めても手に入らんのは分かっとるのに聞きたくて仕方無い。我が儘なんは重々承知や。気を紛らせて如何にか俺の中から。

アカン。

（局員Ｋ）

もう書けへんとか言うときながら書く辺り自分で狡いなって思うけど財前は此処もう見てへんやろうと思ってこっそり使わせたって。いや鍵掛かってたらええかとか思う辺りホンマ自己中なんは把握済みやで。


自分の中で変わらんとアカン部分が有る。その一歩を踏み出す勇気が出ェへん、情けない事に。このままじゃアカン事もプラスにならへん事も分かっとるのにぽっかりと抜け落ちてまうのが怖くて前に進まれへん。そんな弱音を吐けば御前は弱虫ですねって言うやろか。何だかんだ優しいから相談乗ってくれるんやろ知っとる。きっとこうやって話す内に落ち着いてまうから進まれへんのやろうな。あーほんま情けない。

財前が頑なに、恋人は要らんって言うとる意味がめっちゃ分かる気がする。それにしても彼奴多忙すぎやろ。ホンマに俺一年待っとるとかめっちゃ偉いやんな？もっと敬ってくれてもええと思うんやけど。まァ、何だかんだしれっと帰ってきてくれたらええと思っとるよ。


腹減った。