■夢と、恋人の話
一日に何度も書くのはどうかと思ったが、今日見た夢が少し面白かったので書き記しておく。
俺がいたのは喫茶店か、軽食屋か、そこはとても曖昧だ。
何となく薄暗く、イメージでいうとバーのようなものに近い場所の、カウンターに俺は座っていた。
その隣には、俺の恋人である人がいたんだが、多分夢の中では恋人ではなかった。
二人でご飯を食べながら他愛も無い話をしているんだが、夢の中の彼のことを喩えるならば高嶺の花、というのが正しいのだろうか、俺は彼に憧れを持っている様子で、一言一言を嬉々として聞いていた。
その上どこか締まりのない様子で、テンションも上がっているという、とてつもなく気持ちが悪い自分であったと思う。
>俺、地図が好きなんだよね隣の彼が言うと、俺は
>あ、俺も最近携帯のアプリで日本の県のパズルみたいなのにハマってて!などと、必死に返事をしていた。
とても気持ちが悪い。どれだけ必死なんだ俺。
しかも何故彼が地図が好きなのかも不明だ。
そんな話題一度も出たことがない。
ただ、実際にこの携帯のアプリは、ずいぶんと昔にハマっていたことがある。まあ機種変更をしてから一年強、ダウンロードすらしていないので触っていないんだが。
アプリだけでなく、彼にどこか憧れのような感情を持っている自分というのも、過去に実在した自分だ。
高嶺の花、というよりも、届かぬ人、深入りしてはいけない人、そんな風に考えていた。
何故なら、俺は彼のことを、誰にでも分け隔てなく接する人だと思っていたからだ。
出会ったその日から、彼はとても優しく、そして何よりもあたたかい人だった。
自分でもずるいと思うが、感情的になって俺と付き合ってくださいよ、なんて伝え彼の様子をうかがって、脈がなさそうなら冗談ですよ、と更に伝えて。
人付き合いに臆病になっていた俺は、彼の優しさにつけ込んでいる最低な人だと思いながらも、まるで麻薬のような彼の優しさから離れることが出来ずにいた。
それが何故恋仲に至ったかというと、結局は些細なものであったというか。
いつものように二人でゆっくりしている時に、俺たちは思考が似ているようだという話題になり、とても安易に俺が似た者同士なら試しに三日でも一週間でもお付き合いしてみますか、と問いかけたのがきっかけで、彼の口から色々と気持ちを聞けたのが大きかったのだと思う。
結局のところ、お互い惹かれあっていたのに、二人とも臆病になって二の足を踏んでいたという状態だった。
そこからは今までが嘘かのようにとんとん拍子で話が進んで、今に至る。
夢というのは記憶の整理だと言う人もいるようだが、今日見た夢の、尻込みをしている過去の自分の気持ちと、ここ最近遊んでいなかったアプリゲームの整理を一度にする理由が見当たらない。
兎にも角にも不思議なものだと思った。