ふと目が覚めた。
時計を見れば寝てから大して経ってねえ。まだこんな時間かと再び寝る体勢に入る。
隣を見ればお前がいて触れる箇所から広がる体温が心地良い。お前がまだ俺の傍にいる、そんな事実に酷く安心するなんざらしくねえ。少しは大人の余裕とやらを持ちてえな。

…が、お前のことで変わっていく自分も悪くねえかと思っている今日この頃。


さて、もう一眠りするか。エレン。

>愛してる。おやすみ。

本当はな、エレン。今すぐにでもお前のいる処へ行きてえ。兵士長という地位も俺の下に就く兵士達も放り投げて、お前と共に生きてえと願っている。

ただ、お前が、現状維持を望んでいるなら俺はお前の判断に従おう。時期尚早、特にお前が落ち着くまでは動くべきじゃねえのかもな。お前の心配のタネを増やすわけにはいかねえし。


今まで巨人を削ぐことばかり考えて生きてきた俺が、最近は巨人そっちのけでお前のことばかり考えてる。不安は尽きねえしこの先どうしたらいいのかも分からねえが、どうなろうとも俺と一緒にいろ。
なあ、エレンよ。

>そしていつか、

>久々にエレンと逢えた。

貰ったピアスの意味を知り、らしくもなく心臓が速まった。本当に、らしくねえ。

#いつだって意識してる。


一日だけだが、逢えて良かった。俺はデレたつもりはねえんだがエレンが言うから多分デレたんだろう。デレたつもりはねえが。
まあ久々だったしな、少し浮かれたとこはあった気がする。キスはお前だからしたくなる。起きたらっつう口実を作ってまでしたかった、お前なら起きるだろうと踏んで。5分だと起きない可能性がある、だが10分だとキスしたがってると思われそう(実際そうだが)、間をとって7分くらいを目安に起こす。…こんな馬鹿みてえなことを考えてた朝の5時30分。みてえじゃなくただの馬鹿か、俺は。


まあ何にせよ楽しかったのは事実で満たされた、満足だ。
…あいつらは一日逢えなかっただけで相当不足してた。なもんでまた当分は逢えねえだろうが、それはそれ。俺にはピアスがあるからな、寂しくねえと言や嘘になるが、…いつだって一緒だ。大丈夫。


>楽しい一日をありがとな、エレン。

かなり前にはなるが、アイツが此処を見つけたように俺も彼処を見つけた。数枚の頁ながらも俺への気持ちが篭っていて読む手が震えた程だ。
>ああ、あの時お前はこんな気持ちでいたのか。と

お前からもう一冊所持していると聞いたとき、やはり俺らは似ているなと思った。互いについての深い話をするようになってからは個々の違いがはっきりしたように思えたが、それは個人間でのことでどうやら俺たちは互いのことになると考え方や想い方の違いはほぼない。と言っていい気がする。

だから例え俺が、非番なのに間違えて朝っぱらから起こしても、1人の時間を満喫してる最中に会いに行っても、構ってほしさから無駄に連メしても、ド変態なことを言ってもアイツは嫌がらないだろう。何故なら俺が上記をされても嫌じゃねぇからだ。
まあ俺の場合、変な気を遣って話したくても会いに行かねぇっつー馬鹿なことをやらかしてクソ怒られた過去があるが。

嫌なことは嫌と言うやつだと思っている。つまり言われない限りは良しと言うことだ。

…結局のところ俺は何を記録しに来たんだ。眠い頭で筆を執るもんじゃねぇな。取り敢えず仮眠するか。