こいこい。【保存】

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スレ一覧
┗1977.こいこい。【保存】
　┗11-15

11 :童＿麿（鬼＿滅＿の＿刃）
2020/11/14(土) 23:00

旅は道連れ世は情け、無間地獄の旅支度、地獄の沙汰も金次第……道中の御機嫌うかがいは連れ合いの義務ってやつだよ。それで、しのぶちゃんに次は何を書こうか聞いたらね、愛について、心温まる愛について語りなさいだって。うんうん、わかるよ！それって俺にはそんなの書けっこないって思って言ったんだよねェー……顔にそう書いてある。最近の子って、みんな意地悪なのかな？まあ、せっかくだから六人目の公達になったつもりで乗ってあげる。扇もこうしてたたんで、こうやって片方だけ持つと、ほら、笏みたいだろう？──さあさあ、いかでこの姫を得てしがな、見てしがな。相手の行動で愛情の深さをはかるのは、今昔変わらぬ若い女の子が好んですることのようだ。

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12 :う＿ち＿は＿オ＿ビ＿ト（N＿A＿R＿U＿T＿O）
2020/11/15(日) 00:00

何もかも、現実味がなくてつまらない。本を読んで面白いと思ったのはせいぜい１０代半ばの頃までだ。そこに書いてあることが実話でも作り話でも、綴じるための体裁を整えなければならない以上、形式上でさえ終わりがあるのなら、有益ではあっても心を動かすに値しない。値しないと言うよりも、適さないと言った方がいいか。心を動かすとは多かれ少なかれ自分の歩んできたものと比べる行為あってのことなのだから、何らかの落とし所がある以上、そのつまらない話の全てが堪らなく羨ましい。何もかも未完のまま完結すればいい。飾られた有終の美よりも書きかけのまま打ち捨てられた手記の方がよほど面白い。作り話以上に虚ろで果てのない地続きの真っ只中に居る身としては、それくらい不完全なものの方が愛しても後悔はない。

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13 :魘＿夢（鬼＿滅＿の＿刃）
2020/11/17(火) 00:00

急ぎ行きて拝まずや。急ぎ行きて拝まずや。──うふふ。生き急ぎて、眠らずや。ねぇ、風琴の音色を聴いたことはある？すぐにそんな季節になる。はやりの活動写真を観に行ったことは？俺は行かないけれど、何を見せてあげてもいいよ。何をしたっていいんだよ、誰も困らないんだから。ずいぶん長いあいだ悪い夢を見ていたんだね、眠る前に読んだ本のせいじゃないかな。おはよう、愛しの君。深い穴から、ようやく戻って来られたんだね、落ちてこられて良かったねぇ……美ちゃん、愛ちゃん、綾子さんは先に向こうへ行ったよ。〝このあたりにいる者は、みんな、気狂い。俺も気狂い、君も気狂い。気狂いに決まっている。でなきゃ、こんなところに来るはずがない。〟……だから安心して、お眠りよ。

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14 :ア＿ー＿カ＿ー＿ド（H＿E＿L＿L＿S＿I＿N＿G）
2020/11/19(木) 00:00

──やあ、私の愛しいお嬢さん。記憶違いでなければ５６６年ぶりではなかったか？街の様子にさして興味はないが、テナーの独唱だけでは何とも味気のないクリスマスキャロルになるものだと思っていたところだ。まあ、子守唄くらいには丁度いいだろうがな。……そうか、それは素敵だ、結構なことだ。根本に立ち返り人間が人間らしく強かに、慎ましやかに生きている証拠なのだから。言わば誰しもが精神の中に打ち立て持つトランジの存在を思い出したのさ。だが死を恐れるなかれ、有限であることは人間が持つ美しさの証明だ。されど死を忘れるなかれ、無限を羨み魂の救済を拒絶するには些か心許ない灯火だ。しかし我々のような黄昏の逡巡者には眩しすぎる灯火でもある。それはさながら死に対する信仰の勝利、棕梠の木に喩えられた殉教者に差す後光が如くこの眼を焼く。これが古今東西の不死者が暗黒の中に永久に溺れ、黄昏と夜の世界を彷徨う所以だ。

お前たち人間は、いつだって化物を倒してきただろう？少しは落ち着いたかね。

おかえり、インテグラ。

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15 :メ＿ロ＿ン（B＿E＿A＿S＿T＿A＿R＿S）
2020/11/30(月) 00:00

愛の失敗作に愛を語らせるなんて、その魂胆がすでに大失敗なんだよなー正気かよ。俺のママンはやっぱ狂ってんな。──それはそうと、来月は皆お待ちかねのメリーレクスマス！そしてこのメロンの誕生日。ただでさえ忙しい年末に生まれちまって悪かったね。プレゼントには溢れんばかりの愛をくれ。返礼の品には掃いて捨てるほどある安い同情をくれてやるぜ。もう誰に何言われても大して響かねーのよ、何故だかわかる？俺が喉から手が出るほど欲しいものは、俺がこの世に生まれ落ちた瞬間手に入らなくなっちまってるんだからよ。なんつー空虚なことかねぇ。あーあ、なんか面白いことないかなー……ねぇママ、オトモダチになるなら肉食獣がいいかな？それとも草食獣？どっちも僕の友達になんかなってくれないかな？──ホント、死にたくない、まだ生きていたいだなんて、世界一幸せな悩みだよねー。

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