★★ 近況と恋人のこと 🐾

結局あれから出張前の追加任務が割とハードで、そのまま出張任務に行く事になってしまった。出張もなかなかハードなスケジュールになっていたから、ホテル着いたら眠くて湯船溜まるの待てないくらいで何とかシャワー浴びてベッドに入ると悟さんからの連絡がきて、嬉しくてそのまますやっと寝ちまった……そんな感じで、いつまで経ってもすぐに寝ちまうからすれ違ってるのかなって最近思っている。なかなか悟さんと話せないし、今は俺と過ごすタイミングでもないのかもしれない。

優先されたいとかでもない、ただ少しでも傍に居たくて。デートも、大人な恋人と過ごしてるって感じで、ドキドキしたり俺ばっかりしてたと思う。互いの指を絡めると、最近よく俺の指にキスしてくる。その仕草も様になってて、俺以外にもしてきたんだろうなって、当たり前なことを考えた。それが嫌とかではなく、あんなに美しい男がモテないはずもない。それでも、俺以外の思い出は心の大切な所にでもしまっておいて欲しい。忘れなくていい、時々思い出しても構わない。

悟さんの心の日常に居るのは俺だけなんだって、そう俺が思っていたいだけなんだ。


思い出すような過去なんて俺にはないけど、尊重していきたいとは思う。過去はそれでいい、今と未来は俺が全部貰ったから。ドキドキするのも嫌いじゃないけど、やっぱり悟さんの一番の破壊力は可愛いところだと思う。あざとい顔をしても可愛いし、俺が惹かれたのもそういう部分なのかもしれねえ。付き合う前とか付き合い始めとかは、意外と自尊心が低め？な感じがして不思議だったんだよな。こんなに可愛いのに恋人居ないんだ、って。他愛もないやり取りで、悟さんは軽口のつもりだったかもしれないけど、何気ない一言が嬉しかった。人懐っこいのにどこか控え目で、不意に見せる寂しそうな表情っていうのか……なんか、そういう所も放っておけない気持ちにさせられていた。好きだと自覚してからは更に可愛く思えていて、もっと我儘言って困らせてくれないかなとか、俺のこと束縛してくれねーかなとか思ってたかも。僕以外は許さないって、冗談でも何でも嬉しいって感じてた。悟さんは何で自分をそんなに気に入ってくれたのか不思議に思っていただろうし、今もまだそうかもしれないな。この前も話題になったけど、悟さんだから惹かれただけで理由なんてない。優しくて、でもちょっと子どもっぽくて、あざといくらいに可愛くて、あの頃は今よりもっと気分屋だったけど、そんなところも俺には可愛くて憎めなかった。笑った顔が可愛くて、歳の差とか気にならないくらい近くに感じた。先生の顔をしている時はピリッとした雰囲気もあって、頼もしくて尊敬も出来た。時々冷たい眼をしていたけど、距離を感じても離れられなかった。初めから俺は悟さんのものだから、何をされてもいいって思ってた。

快楽に慣れていなかった頃、わけもわからなくなって、気持ちよすぎてしんじゃうって思ったことがあって、涙が勝手に出た時に俺を気遣って止めてくれた事もありましたね。離れてしまうのが寂しかったけど、大切にされてるのが嬉しかったのを今も覚えています。今は気持ちがいいからってバレているのと、悟さんも俺の泣き顔好きそうで問題ないな。えっちな言葉とか、俺が悟さんを誘うと嬉しそうだから、もっと俺からもアプローチしたいなって思います。今月で付き合って半年ですね、悟さんが居てくれて毎日が本当に楽しいです。なかなかタイミングの合わない日もあるかもしれないけど、これからも悟さんだけを見詰めていきたいです。

ずっと、悟さんだけを愛していきたい。

★★ 出張任務を控えてのあれこれ 🐾

前からそろそろ誰か行かなきゃいけないってなってた出張任務が、結局俺に割り振られた。オイ、もう来週だぞふざけんな――とは思ったが、移動時間は自由時間みたいなもんだから、のんびり読書でもしながら向かうつもりだ。読みたい小説を二つピックアップしたから、二冊しかないし帰るまでに読み終わりそうだな。

最近は任務の後と朝に毎日シャワーを浴びてるんだが、朝から石鹸のいい匂いがすると大分モチベーション上がるなって気付いた。虎杖にいい匂いするって言われたけど、同時に『俺にはシャワーを浴びる時間的余裕はない』って言われた。安心しろ虎杖、余裕は俺にもそんなにない。だが、夏場に朝からいい匂いするのは本当に気分もよくなるし、オススメしたい。

そんなシャワー談議から、食べ物の話に。夏場に食べ易い物とか簡単なレシピとかよく教えてくれて、すげー助かる。あまり食べなくても栄養価の高い物とかあれば楽なんだけどな、とりあえず目星をつけた物を虎杖の分も持ち込んで強制的にレシピ開拓しようと思ったら、釘崎も参加するらしい。美容？にいいのかわからねーが、やりたかったけど一人で食べ切る自信がなかったからって話になって、各々の目的は違うけど、とりあえず始めてみるかって話は纏まった。悟さんでさえ夏場の俺の食への興味の無さを気遣ってご飯食べただけで褒めてくれるから、ちゃんとしなきゃなって毎日思いながら昼によく食べるようにしてる。どうしても夜は任務の疲れで飯すら面倒になりがちで、最近筋肉痛によくなる。たんぱく質もっと摂るべきなのだろうか……意識的に鶏肉を食べるようにしたんだが、なかなか。美味しいプロテインも教わったりで、なんか自然と鍛える話になってるな。

最近疲れてて筋トレをサボってたから、もっとやらねえと。悟さんみたいな身体になりたいが、元々あんま筋肉つかないし、悟さんも今の俺の身体がいいって言うからそこまで熱意が無いのもあれだ。

ただ、虎杖は確実に筋肉がついてた。羨ましくて思わず目を逸らした。あれはモテる奴の身体だった。



いいよな、筋肉。

悟さんの胸って凄く良い、本当はもっと触りたいけど恋人の胸ってそんな気軽に触れたりするのか？俺は悟さんには何でも許せるし気分じゃないとかないから拒むタイミングがゼロだけど、悟さんはそういうところ普通（？）だから気分じゃないとか多分あるんだよな。躱されたりするのは寂しいから抱き締めて貰った時とかにこっそり顔を埋めるくらいだけど、いいなって思う。

本当はもっと触れたい。あと、もっと悟さんに俺もエロいことしたい。ただ、あんまり攻めるとそれはそれであれだろうし……どこまでならＯＫなのか気になる。絶対ダメなのはお尻ってわかってるけど、そういう好みとかももっと知りたいな。好きなプレイとかやってみたい事とか。なんか自然とえっちなことしてきたけど、ちゃんと出来てるのか心配になる。

もっと上手くなりたい。

☆☆ 初デートそのいち 🐾

恋人になって初めてのデート。ペアリングを買いに待ち合わせしたけど、俺の手持ちで一番ちゃんとしてる服が制服だったのが露呈して、悟さんが俺の服を買おうって連れ出してくれた。悟さんの行きつけの見るからに高級そうなお店で、悟さんがいつもより大人に、自分がひどく子どもに思えて勝手に緊張した。場違いに思えて勝手に不安になりそうになったけど、悟さんが選んでくれた服を着たら、いつもより少しだけ……悟さんの隣へ立つ自信？も持てた気がした。武装みたいなものなんだと思う、少しでも悟さんに釣り合うような恋人で居られたらいいなって思った。あと、これからはもう少し服とかにも気を遣ってみようと思った。

髪の毛もセットして貰いに美容院に寄るって言ってたけど、悟さんもセットするのだろうか。格好良い姿は見たいけど、余計に人目をひくのはいやだな。

触れたくなって、エレベーターに乗ってからこっそり手を握ってしまった。着いた時のエレベーターの中で悟さんが髪にキスしてきてずるいって思ってたから、つい。



繋いだら、離したくなってしまいそう。

☆☆ 心から、ぜんぶ 🐾

悟さんが優しい。甘くて優しくて、どんどん気持ちも膨らんでいく。好きな気持ちが増したら、なんか身体も変になっている――気がする。いつもよりキスも気持ちがよくて、とろけそうになった。

ふわふわするので、きつめに抱き締めて欲しい。



前に悟さんが、俺が他の人と話してるだけでも妬けるって言ったことがあった。あの時はいまいちピンときてなかったのに、段々と俺の心の中にあった小さな感情が育っていった。小さなそれは、最初の内はほんの些細な違和感だった。悟さんが時々虎杖の事を話題に挙げたり、二人で居る時に急に虎杖を褒めたりして。褒められて当然だと、少し誇らしい気持ちになりながら――胸の辺りがもやっとしていた。それが嫉妬とかヤキモチとか呼ばれているものだと知らなかったけれど、一度知ってしまえばどんどん大きくなってしまった。

ちょっとした事でもやっとして、やだなって思うようになった。悟さんは俺のなのにって、閉じ込めてしまえたらいいのにって。ほんの何時間でもいいから、二人だけの世界にいきたいって思った。早くデートにもいきたいし、ホテルも泊まってみたい。一緒にお風呂も入りたいのになかなか叶わないな、悟さんの髪の毛を洗ってみたい。いっぱい泡を立ててもこもこにしたい、絶対可愛い。その頃には互いの左手には指輪も嵌ってるんだろうな、……夢みたいだ。いじわるしないようにって、悟さんがいっぱい甘やかしてくれる。この前に俺が不安がったから、抱き締めて可愛がってくれた。

任務で自分が思うより俺が疲れてるみたいで、悟さんが寄り添ってくれる。言葉のひとつ取っても優しくて、その度に好きになった。愛しくて愛しくて堪らなくて、こんなに幸せで、どうしようって毎日思うよ。

直ぐに胸がいっぱいになる。



ずっと、ずうっと、愛してる。だいすき、