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東方逃現郷
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「えーと……、ところで幻月――さん?」 「幻月でいいよ、実年齢はともかく見た目はそんなに離れてないしね。で、なに?」 不安げに黙りこくるライゼスの様相に耐えられなくなったのか、アイリスが努めて気軽に幻月へと問いを投げかける。 ――までは良かったのだが、見目では下手をすれば三人の中で最年少、されど悪魔との自称を信じるなら実年齢などどれほど離れているかという話。 結局呼び方に困り、やや詰まった問いかけにはなったが、当の幻月は気にした様子も見せない。 それどころか、呼び捨てで構わないとあっさりと告げすらしてくる。 ……ますます、その自称が本当であれ嘘であれ、疑問が深まるのだが……。 今はそれを飲み下し、ライゼスをちらりと見やってから再び口を開く。 「わたし達、今どこに向かってるのかなって――。幻月、アテもなく歩いてる……って感じしないし」 確かに、自分たちの行き先が判れば少しは不安も解消されるだろう。 ライゼスも、その問いかけの答えに興味を持ったのか、視線を幻月に向けている。 そんな二人の視線に、きちんと告げなかった自分の失策を感じつつ、 されど不安を解きほぐすためにも敢えて気軽な調子で答えることにして。 「あぁ言ってなかった? とりあえずは人里に向かうつもりだよ。人里の中でなら、流石に妖怪も襲っては来ないしね。 ……ふたりとも、どこかで勘違いしてるかもしれないけど――。人間は強いよ。たぶん、ふたりが考えてるより、ずっとね」 先程の自分が語った話と矛盾する言葉。 意味が汲み取れないのか、キョトンと目を瞬かせるふたりの様子に、足を止めて振り返る。 安心の意味でも、此処はもう少し語っておいたほうが良いだろう。
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