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琥珀の多幸感は然れど耽溺の音に蕩け…
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> ……っ、痛い。 まだ頭がズキズキとする。 あぁ…でも痛みがあるという事は、 俺、まだ生きてるんだな。 良かった。 # ……いや、痛過ぎて偶に眠れないから良かったのか解らんけど。 結局、あの日に色々…話し込んじゃった癖に傷の事は一切、話さなかった。 要らない心配…掛けたくなかったから。 > その包帯、どうしたんだ? そう聞くお前に、逸らかして禰󠄀/豆/子ちゃんの話と掏り替えたっけ。 そうやって反論の余地を与えない様にしたんだよな。 # どうせ、匂いでバレてるのに…。 炭/治/郎の事だ、今頃…余計な心配させちゃってんだろうな。 何でも無いって誤魔化すよりも、此れは悪手だった…かも。 露骨に顔に出る炭/治/郎程じゃないけど俺も結構、嘘が下手みたいだ。 いや、嘘を吐きたくないのかもしれない。 或いは…嘘を吐いても無駄だと知っているから。 # というか、忘れたの俺? 抑々…嘘は嫌いじゃん。 # 誰の為にもならない嘘を吐く時の人の音は、 # 酷く歪で…耳が軋みそうになる。 # 誰かの為に吐く優しい嘘には、そんな禍々しさは感じないのに。 # そんな濁った音はもう、散々…ガキの時に聞いた。 # もう二度と聞きたくもない。 …っ、……いた…い。 生きてる事を実感出来る痛み、だけど。 どうせなら違う痛みが欲しい。 一度、知ったあの痛みは…──忘れられない。 早く帰りたい。 任務と、鬼と、面の良いイケメンは滅べばいいと思う。 # あっ、…炭/治/郎は別な。 顔、良いけど美人だし可愛くもあるし。 早く帰って、こんな頭の痛みなんて越える位の…あの痛みを。 生きてるって実感するに相応しい、あの…──本能的な痛みを。 早く。 早く。 刻まれたい。 >
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