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琥珀の多幸感は然れど耽溺の音に蕩け…
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> 深層意識。 ……。 …。 ………。 # …──あぁ。 "俺"は今、寝てるのか。 任務、疲れたもんな。 けれど…日/輪/刀の手入れだけは欠かさなかった。 # 当然だよ、爺ちゃんから貰った大切な刀だ。 …この刀を打ってくれた刀鍛冶さんの名前は忘れちゃったけど。 # ごめんなさい。 そうそう…羽織も、だ。 爺ちゃんが修行を終えた後、最終戦別に向けて俺にくれた色違いの羽織。 # 初めて、誰かから与えられた"モノ"とも言えるそれは…── 俺の…大事な大事な、宝物。 ……。 …。 あぁ…そういえば、この"大鋏"はいつから持っていたんだっけ? # 俺は唯、"アンタ"と一緒に並んで食べたかった桃の捥ぎ取る様… # この首を掻き切りたかったのかもしれない。 …手遅れになる前に。 # 嗚呼…ごめんなさい、ごめんなさい、俺さえ居なければ彼奴は…。 いつから此処は真っ暗なんだろう。 # 俺には何も要らなかったから。 …誰も要らなかったから。 # 必要とされない俺なんて、闇一色に溶けていようと誰も気にしない。 # どうせ誰も気にも留めない。 だから闇の中に居ようと居まいと同じ事。 なのに、 どうして天罰は俺の髪を、映える様に染めてしまったのか。 これじゃ暗闇でも存在を知られてしまう。 俺は誰にも、気付かれたくはなかったのに。 ひっそり、唯一人。 陰の中に居たかったのに。 俺は、俺が嫌いだ。 だから大鋏でいつでも"俺"を──せる様にしていた筈なのに。 この髪色じゃ、誰かに気付かれてしまう。 …余計な事をしてくれたもんだよな。 けれど。 "彼"に出逢ってからは? 一等、余計な事をしてくれたであろう"彼"は? "彼"は。 "彼"が。 "彼"だけは。 "彼"だけが。 "彼"が居なければ、俺は今頃…如何なっていた? ……あぁ、そうだ。 # "彼"には全てバレてしまう。 # きっと、この大鋏も直ぐに取り上げられてしまうだろう。 この暗闇すらも、意味を成さない。 # "彼"には匂いで知られてしまう。 # どれだけ闇に紛れようが直ぐに捕まえられてしまうのだろう。 "彼"に出逢った、その瞬間から… 俺は逃げられなくなっていた事に全く気が付いていなかった。 こんな事を考えた所で無駄だった。 筒抜けだ。全部、全部…。 早く目ぇ、醒ませよ…"俺"。 俺を照らしてくれる、"日の神さま"が待ってる。 # あぁ、俺…本当は照らされたくて態と暗闇に居るんだろうな。 # 大鋏を持っていれば、いつでも"彼"は"俺"を…─── ……うぇひひっ。 >
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