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人の好みに合わせるのは嫌いではない。好意を持った人の理想や好みに近付こうとした切っ掛けは何だったか。 「笑顔が好き」と笑う子に惹かれれば笑顔を貼り付けて。「甘えられるのが好き」と言った子には気分でもないのにべたべたとただ甘えて。「甘やかされるのが好き」と言われれば頭を撫でて抱き締めて。そうする事でその人に自分を求めて貰える様な気がした。実際好みとする物が目の前に提供されれば食いつく、愛でる、愛する。ただ好みの顔が崩れれば、意識は別の物へ変わっていく。 >「最初と違う」 >「どうしてそんな事言うの?」 >「そんな人だったなんて」 はい、俺はこういう人間です。 所詮無理矢理でっち上げた性格なんてすぐに崩れる。笑顔が好きだと言う子の前で泣けば、甘やかすのが好きだと言う子を甘やかせば、甘えたいと言った子に甘えれば。そんな事は求めて居ないのだと突き放される。常に笑顔の人間なんて、常に甘えられる人間なんて、常に甘やかせる人間なんて、そんなものは居ない。すみません、気分屋なんです。気紛れなんです。本当にそれだけの人間だと信じていたのならおめでたい頭だと思いますが。 「その侭で良い」と言った口が次の日には「そういうのは好みじゃない」と「変われ」と宣う。その変わり身の早さに閉口した事もあった。結局どうしたいんですか。…後半が本音だと知っていますが。要するに、「お前は好みじゃない」と。そう言った事に気付いていたのかは定かじゃない。どれだけ不安を掻き立てられたのかも今となってはどうでも良い話。 伏見さんの好みを俺はよく知りません。ただ、自分の面倒な部分はよく顔を覗かせて居ます。それでも「その侭で良い」と言うあなたにほんの少し、…──。いつか「変われ」と言われる日が来るのだろうか。きっと言われれば俺は頷くと思います。変わろうとすると思います。それが伏見さんの望む俺なら、望まれる俺になろうと思います。けれどきっと、「変われ」とあなたが言う時にその目が見てるのは俺じゃないんでしょうね。理想があるからそこに向かえと言うんでしょう。──そう考えると寂しい。 取り繕い方を忘れる位には何でもない自分を見せて居るのだと自覚している。取り繕っていない俺に向かって「その侭で良い」と言う伏見さんは本当に今の侭の俺を好きで居てくれているのかと思ってしまう。都合の良い解釈だと感じたならいつもの様に舌打ちして下さい、自分でもおめでたい頭だと思います。信じて居ない訳ではありません。信頼しています、誰よりも何よりも。それでも自分に都合が良過ぎて、夢でも見てるんじゃないかって思うんです。 伏見さん、あなたの言葉は本当に暖かくて、俺はあなたが好きだと毎回実感します。幸せだと思っています。取り繕う暇なんかありません。 …ところで、伏見さんにはセーラー服が似合うと思うんです。どうでしょうか。
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