虹の彼方へ幸福の花を添えて

#魔理沙の頑張る日

もう一週間前かしら。
この日をずっと怯えていた魔理沙。いつも努力していて、それを実らせようと頑張っている。弱音なんて吐かなかった子が、初めて私の前で弱音を吐いた。とても不安で、落ち着かないって。それだけあの子からしたら大事な用事なんでしょうけど、私は弱っている魔理沙に驚いた。
…でも、努力を実らせる子だとは思っていたけど強い子とは思っていなかった。何故なら、簡単に顔に出るタイプだから。って言うと変ね。んー、何だろう。弱さを見せない事が強さに繋がる訳でもなくて、ただあの子は一生懸命なだけ。そんな子が、私に見せた弱い部分。何時も、努力している魔理沙の顔が好きだった。毎日毎日遅い時間まで自分を研いて、顔を出したと思ったら何時の間にか隣で眠っていて。相当疲れているのか、私と話していて安心してくれているのか、それとも両方なのかも知れないけれど…寂しさなんて感じなくて。出逢えた事を誇りに思えるような不思議な気分。きっとそんな姿に勇気を貰えてるのね。

最近は眠る時に手を繋いでるわ。
そうすると良い夢を見れるみたいだし安心するんですって。繋ぐ事をねだるあの子の顔は、ちょっと可愛い。だから軽く握ってあげるとわざわざ胸まで持っていって抱き抱えるようにするの。そうされると眠った後に起こさないように手を離すのは苦労するけど、安心して眠れるならまぁ良いかな。だから昨日も確りと繋がれて。ずっと離さないで、なんて言われた時はそこまでの大きな不安なんだって…そう思った。
普段見せている表情は笑っている。それでも顔に出るタイプだから時々表れる不安げな表情や悲しげな表情には直ぐに気付けるけど…どう言葉にして良いか判らなくて闇雲に言葉を探しては私なりに纏めて宥めてあげる。けれど、結局今日まで不安を拭ってあげられる事は出来なかったかも知れない。今一生懸命に頑張ってる魔理沙に私がしてあげられる事は一つだけ。

信じてあげること。

今まで努力してきた事が無駄に終わる筈も無い。努力を必ず実らせる力を持っている魔理沙は、きっと無事今日を乗り越えられると信じてる。今まで頑張っているあの子を見てきた私が言うんだから外れっこないわ。それに、毎日おまじないをしていたんだもの。時には手を繋ぎ過ぎて筋肉痛になった事もあったけど。まぁそれは良いわ。
だから、きっと大丈夫。帰ってきたら美味しいお茶とお煎餅くらいは用意してあげないとね。この雨で湿気ていても文句言いっこ無しなんだからね。って言うか言わせない。

大丈夫よ、遠くにいても私が心の中で支えるから。

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