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┗氷上の痴話喧嘩。(68-76/76)

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76 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2018/08/06(月) 00:34

>『имя』


”ユーリ”

どれくらい、その名前を呼んだだろう。
挨拶のように、口癖のように、何かのフレーズのように、何度もその名を呼んだ。


最初は虚無だったその名前に、たった一人の人物像が入り込む。
そしていつからか、それが唯一になった。
呼んでも応えてくれなかった”ユーリ”が当たり前のように、応えてくれるようになる。

”ユーリ”
…音にすれば、これだけなのに、その音だけで、いくつもの感情が表現出来た。
そして不思議なことに、その音を受け取る側も、正確にその感情を汲み取ってくれていたね。


”ユーリ”
沢山呼ばせてくれてありがとう。
君の演技は、スケートは、確かに俺に幸せをくれたよ。
あの幸福な時間の数々は、俺もちゃんと覚えておくから。

口にすると、切なくて愛しいこの名前は、俺の心の特等席に。
いつか、誰かに明け渡すその時まで、大切にしまっておこう。


願わくば、今、君の心が晴れやかで悔いなきものでありますように。


『”ユーリ”から”勇利”へ…俺のNEXT LEVEL』

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75 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2018/08/02(木) 23:09





↑ Ток ... Будущее


――――――――――――――――――――――――


↓ Прошлое

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74 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2018/07/21(土) 22:26









マッカチンが倒れた。
最初はただ、元気がないなぁ、って思う程度だったんだ。
でも、段々ご飯を食べなくなって、…食べても、戻すようになった。
日に日に衰弱していくから、漸く取れた休暇の日に病院へ。

熱中症と風邪の併発。
診断の見立てはこう。
点滴を打って一時は良くなったように見えたんだけど。
…やっぱり、まだご飯を食べない。あんなに食いしん坊だったのに。
くしゃみをしたり、空鳴きをしたり。
終いには目を充血させて、薄っすら涙まで浮かべるから。
なんだか最悪の事態になってしまいそうな気がして……居ても立ってもいられなくなった。

夜遅い時刻。
弱ったマッカチンを車に乗せて、診てくれる動物病院を探し回る。
生憎と近くの病院は全部ダメ。祈るような気持ちで、少し遠い病院へ。
幸運なことに、先生がまだ病院に残っていて、急遽診てくれることになった。

レントゲンを撮ったり、血液検査を受けたり…。
処置室に消えたマッカチンを待つ間、色々なことが頭を駆け巡る。

練習や、大会、アイスショーで、一時離れることはあっても。
傍に居られる時はいつでも、無条件で傍にいてくれた。
……俺の環境が変わった時でさえ。

動物は健気だと思う。
いつも人間の都合に振り回されるのは彼らの方なのに。
それに愛想を尽かすでもなく、抗うのでもなく、ただ、ひたすら、受け入れてくれる。

本当かどうかは判らないが。
動物や花は、人間の心に敏感だと云う。
部屋に飾った花も、住人の心が荒んでいたり、沈んでいたり、疲れていたりすると、枯れるのが早いらしい。

いつもと変わらず、寄り添ってくれていたマッカチン。
でも、きっと、俺の心の機微が、少なからずストレスを与えていたんだろう。
……ごめんね、マッカチン。…本当は、____、よね。
ここじゃない海を見詰めていたことも、…知っていたよ。
知っていたのに、どうにもならなくて、甘えていたのは俺の方。

色々検査してもらった結果。
…幸い、見た目ほど身体の中身はダメージを受けていなかったことにほっとする。
でも、もう少し遅かったら、肺まで影響を受けていたらしい。
………本当に良かった。








……うん、良かった。
…良かったんだけど。

ねぇ、マッカチン。
綺麗な看護師さん二人に、囲まれて。
甲斐甲斐しく、流動食をスポイトで与えられている間。
別犬みたいに鼻を伸ばしているのは何でだろう?

あはは。まあ、いいか。
良くなっている証拠だよね。
…早く良くなって、マッカチン。
そしてまた一緒に、砂浜を駆けよう。

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73 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2018/07/15(日) 02:18











海は海でも、はせつの海とは違う海。
マッカチンをつれて、砂浜に佇む。
いつも元気な愛犬は、静かに地平線を眺めている。
届きそうで、届かない、地平線を眺めている。



>『悲しい時まで人の為なの?ヴィクトルは何処までも献身的だね。』

悲しい時ほど誰かを笑わせたい、そう云ったら、
呆れたように、云われた一言がぐさりと心に突き刺さった。

献身的なんかじゃない。
悲しい時は自分が笑えないから、誰かを自分の代わりに笑わせて、
救われたような心地になるだけなんだ。




生憎の曇り空。
太陽は隠れてしまって、姿を見せない。


でも、いつか、
もう少ししたら、
新月は、別の太陽に出会うんじゃないかって、
そう思っているんだ。

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72 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/12/25(月) 00:01

>『Волшебные слова』


時には、言葉で…欲しいときもあるんだ。
背中で教えてくれるってこの前書いたのに、少し矛盾しているかもしれないけど。


#云わなくても、わかるでしょ。


うん。
わかるよ。
わかるけど…、聞きたい。


クリスマス。
誕生日。


特別な日に俺からユーリへ贈った言葉。
贈った言葉に見返りなんていらないよ。
それでも、…ほんの少し、ちょっとだけ、期待してた。


危うく聞き逃しそうになるほど、小さな声でのリターン。

不思議だね。
言葉にすればほんの数文字なのに。
ぱあっと世界が明るく輝いたような心地になるんだ。

#ありがとう。
#この先も、続く毎日。
#これからも僕の事
#よろしくお願いします。
ありがとう、ユーリ。
こちらこそ、これからもよろしくね。



『濃厚チーズケーキはとっても美味でした。』

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71 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/12/02(土) 12:52

>『Назад』

「男は背中で語る」

格好いい響きだね。
無言の背中から、何かを感じ取る人は一般的にも結構いる。
俺はね。
時には、口ほどにものを語っているんじゃないかと、思う時もあるんだよ。


顔を見られたくないとき。
素直な気持ちを云えないとき。
…他には、なんだろう。
単純に構って欲しいとき、…なんかもあるのかな。
直接聞いたわけじゃないから、ぜんぶ、俺が予想しているだけ、なんだけど。
ユーリは時々、ぷい、と俺に背を向けるときがある。

ユーリは、それでガード出来た、とか思っているのかもしれないけど。
俺はその背中を見るたびに、言葉以上のものを感じる時があるんだ。
普通だったら、背を向けるってことは、否定の表れだって感じるところ。
それが時と場合によっては、肯定のしるし、でもあることを
ユーリが向ける背中を見て、感じ取ることがある。
…俺が勝手にそう思っているだけで違うのかもしれない。
でも、…もしも。
あながち、間違っていないのだとしたら。
背中が教える、その判り辛い心の機微を、
俺だけが察してやることが出来る特別な優越感が
嬉しくもあって、誇らしくもあるんだ。

大体さ。
「背中を預ける」
って言葉もあるんだよ。
背中って自分では見えない部分だし、とっても無防備な部分。
ぷい、と背中を向けた時点で、動物的観点から見たら、無防備な部分を自ら晒していることにもなる。

だからね、背中を向けられて、顔が見えなくても。
大事な場所を預けられた気がして、俺はそんなに嫌じゃないんだ。
俺がもっとアオハルくらい若かったら、顔が見たい見たいって
云っていたような気もするから、
俺もそれなりに年をとったのかな…。
ユリオあたりから見たら、立派なジジイだしね。

預けられた無防備な背中は、すっぽりと包むように背後から抱き締める。
ただ、預けるだけじゃなくて、寄りかかってもいいよ、ってこっそり思う。

時には一人で戦う背中。
背中をちゃんと見ている人がいる時点で、孤独ではないからね。






『↓我が家に猫がきました↓』

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70 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/11/29(水) 23:02

>『Спасибо』

11月29日は特別な日。

去年の今頃も日付が変わる数時間前に綴っていた気がするから
俺って一年前から余り成長してないなーって思ったりね。

今日は誰もが知るところ、ユーリの誕生日。
SNS上ではユーリの誕生日が拡散して結構な賑わいになっている。

……いつの間にこんなに人気出ちゃったの、ユーリ。
いや、俺がコーチすることになってから
今まで以上に、ユーリの人気に火がついたのは知ってたけどね。
最近はその人気の中身が、微妙に違ってきているような気がしている。
あちこちから飛んで来る熱視線…。
日本人はまだ奥ゆかしいからいいんだよ。
問題はユーリの放つエロスに興味をもった外国人たち。
初心で繊細なユーリにぐいぐい来るのはやめて欲しいな。

それはそうと。
ユーリの誕生日がカツ丼食べる日みたいになっているのは思わず笑ってしまう。
本人食べられないのに、周りがみんなで食べるってお祝いどころじゃないよね!
でも今日は特別な日だから、カツ丼くらい許してあげようか。
……って思ったけど。
かわいい子から本気プレゼント貰ってるの見たら
却下!って云いたくなるよね。
あーーーおれってこころせーまーいーーー。

…そんなこんなで俺達はユーリの誕生日も相変わらず。
でもね、俺にとっての”ユーリ”の誕生日は他にあるから
今日の、この特別な日は「ありがとうの日」ってことにするよ。
ユーリが生まれていなければ、ユーリと出逢うこともなかった。
ユーリが誕生して、俺が誕生して。
一本の太い柱から派生して、今の俺たちがいる。
奇跡みたいな出逢いに感謝する日。

С днём рождения! "Yuri Katsuki"!


〆はやっぱり、
『いい肉の日』

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69 :ユーリ・プリセツキー(YonICE)
2017/11/07(火) 21:52

>『 ユーリ、』



飼い猫と戯れながら眠る直前、
#『 声が聞きたくなった。』




不穏な事は無い方がいいに決まってる。
けど何かあった時、何もない時でも、
アイツが俺の存在を思い出してくれることは素直にうれしい。



上着を引っ掴んで家を飛び出して、駆け付けてやれる距離じゃ無い。
俺に出来ることなんて、何もない。
お互いに口に出さなくても感じていること。
だけど、真実とは異なる。
たぶん、絶対。





寝入り端ポツポツと、
言葉少なに繋ぐ会話は擽ったい。






#『 ニャーオ 』

合間に遠い異国の地へ届けられた飼い猫の鳴き声が、
アイツの口から洩れる微かな笑い声を連れてくる。
鼓膜に伝わって、ゆっくりと俺の中に溶けていく感覚が心地いい。






アイツが弱音を吐いたり、
不安をもらすことは滅多に無い。
言わなくても、何もないって事は無いのは分かってる。




なのに日頃届けられるメッセージを意識して読み返すと、
面白いくらいにこっちの様子を気遣うものばかり。
しかもあからさまに心配するんじゃなく、……すげーさりげない。
例えば、俺が好きそうな新発売の甘いモンを勧めてきたりとか。


それに対して、食ったとかうまかったとか、何かしらごく普通の反応を返す。


そういう何気ない会話によって、
立ち尽くしていた背中をトンと押されるような、
奮い立たされる感覚を、もう何度となく味わって来た。
……自惚れじゃなければ、アイツもそうなんだろうと思うから。
猫の声ひとつ聞かせるだけで笑ってくれるなら、
これからもいくらだって届けたい。



……まだ一年なのかと思う程には、色々な話をして来たはずなのに。
昨日も初めて知ることがあった。
しかも心外っつーか誤解もいいとこ。

……もっと早く言えよバカ!
変なとこ遠慮すんのは、おまえもな。





あーくそ、……寒い。
#① あったかいピロシキ食いたい
#② ピョーチャ抱いて引きこもる
#③ ハセツの温泉入りてー
#④ …………、


…………寝る!

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68 :ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/08/11(金) 22:32

>『Летний отдых』

朝から食べ過ぎたユーリは、運動したいと後悔中。
うん、でも。食べ過ぎると直ぐには運動出来ないよね!

(…ユーリには内緒だけど、俺、実はよく食べる子の方が好き。)
(でも!子豚を育てる趣味はないよ!)
#朝からあんなに張り切って作られたら、
#食べるしかないと思うんだ!

---------

夜遊びの誘い。
カラフルなロウソクのホール。
きらきらと輝く横顔。

なんでも特別に変えてしまう、ユーリの魔法。
見惚れたのは花火じゃないよ。

---------

パーティ会場は勝生家の仏間。

日本の風習はよく判らないけど、この時期は賑やかにした方が祖先も喜ぶんだって。
ユーリは奥田舎に出掛けているから、暇潰しがてら昼間アイスキャッスルはせつに行った。
そこで久し振りに会った西郡家と、ミナコも呼んで賑やかな夜を過ごす。

思い思いに食べたいものを持ち寄ったテーブルの上は結構カオス。
ユリオー。寿司以外にも沢山買い込んだね。
俺のカードだからって、遠慮のない使い込み。いっそ清清しいよ!
しかも誰だろう。ユリオにヴィンテージシャンパンの買い方なんて教えたの。
わー。キャビアの軍艦巻きー。日本の寿司屋はグローバルだね!
ウニは山ほどあるんだから、プリンにショーユかけるのはやめよう?

(ツッコミ役は俺じゃないんだから、早く帰ってきて、ユーリー!)

賑やかな夜にアルコールもすすむ。

……記憶も飛び飛びなんだけど、途中、犬みたいにわんわん吠えていたらしい。

………犬の霊でも降りてきた?

『夏休みの思い出』

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