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氷上の痴話喧嘩。
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>『Жадные』 圧倒的な才能を前に、努力なんて無意味だと思っていた。 小さな国で一番になれたところで、一歩世界に出れば自分の傲慢さを思い知ることになる。 世界で一番どころか、キャンプで一番にさえなれやしない。 ――ユーリ・プリセツキー。 最初、俺は君も才能の部類だと思っていた。 俺より年下で、俺より小さな身体。 その身体の何処に、それだけの力が秘められているのだろうと思わせる、実力と輝き。 俺は、俺より小さな身体を見上げるしかなかった。 天賦の才を持つ者は、持て囃されながら当然のように高みへ上っていく。 焦り。 不安。 努力しても報われない虚しさ。 諦めかけた俺に、だが、君の目は教えてくれた。 その才能が努力によって裏付けられたものだと――。 俺が努力だと思っていたものが、いかに足りなかったか。 思い知らされて、俺の中の迷いは消えた。 此処にいる誰もが出来ないこと。 それを身に着けないと、この戦場は生き残れない。 グランプリファイナルへの出場権を手に入れて、やっと同じ目線に立てると思った。 君に声を掛け、…そして友達になった。 俺は余り顔に出ない性質だが、あの時は結構勇気が要ったんだ。 握手と称して握った手は、少しだけ冷えていて、…やはり、俺よりも小さかった。 だが、また君は俺より高みへ上ってしまったんだな。 世界歴代最高得点。 同じ目線に立てたと思ったが、また見上げる立場に逆戻りだ。 ああ、でも。前と違うことが一つある。 それは、 君の視界の中に、俺がいるということ。 どこまでも高みへ上っていけばいい。 俺ももう、見上げるだけの立場じゃない。 一方的に見続けるのは終わりだ。 『いつか君の視界を独占してみせる』
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