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氷上の痴話喧嘩。
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・ ・ ・ マッカチンが倒れた。 最初はただ、元気がないなぁ、って思う程度だったんだ。 でも、段々ご飯を食べなくなって、…食べても、戻すようになった。 日に日に衰弱していくから、漸く取れた休暇の日に病院へ。 熱中症と風邪の併発。 診断の見立てはこう。 点滴を打って一時は良くなったように見えたんだけど。 …やっぱり、まだご飯を食べない。あんなに食いしん坊だったのに。 くしゃみをしたり、空鳴きをしたり。 終いには目を充血させて、薄っすら涙まで浮かべるから。 なんだか最悪の事態になってしまいそうな気がして……居ても立ってもいられなくなった。 夜遅い時刻。 弱ったマッカチンを車に乗せて、診てくれる動物病院を探し回る。 生憎と近くの病院は全部ダメ。祈るような気持ちで、少し遠い病院へ。 幸運なことに、先生がまだ病院に残っていて、急遽診てくれることになった。 レントゲンを撮ったり、血液検査を受けたり…。 処置室に消えたマッカチンを待つ間、色々なことが頭を駆け巡る。 練習や、大会、アイスショーで、一時離れることはあっても。 傍に居られる時はいつでも、無条件で傍にいてくれた。 ……俺の環境が変わった時でさえ。 動物は健気だと思う。 いつも人間の都合に振り回されるのは彼らの方なのに。 それに愛想を尽かすでもなく、抗うのでもなく、ただ、ひたすら、受け入れてくれる。 本当かどうかは判らないが。 動物や花は、人間の心に敏感だと云う。 部屋に飾った花も、住人の心が荒んでいたり、沈んでいたり、疲れていたりすると、枯れるのが早いらしい。 いつもと変わらず、寄り添ってくれていたマッカチン。 でも、きっと、俺の心の機微が、少なからずストレスを与えていたんだろう。 ……ごめんね、マッカチン。…本当は、____、よね。 ここじゃない海を見詰めていたことも、…知っていたよ。 知っていたのに、どうにもならなくて、甘えていたのは俺の方。 色々検査してもらった結果。 …幸い、見た目ほど身体の中身はダメージを受けていなかったことにほっとする。 でも、もう少し遅かったら、肺まで影響を受けていたらしい。 ………本当に良かった。 ・ ・ ・ ……うん、良かった。 …良かったんだけど。 ねぇ、マッカチン。 綺麗な看護師さん二人に、囲まれて。 甲斐甲斐しく、流動食をスポイトで与えられている間。 別犬みたいに鼻を伸ばしているのは何でだろう? あはは。まあ、いいか。 良くなっている証拠だよね。 …早く良くなって、マッカチン。 そしてまた一緒に、砂浜を駆けよう。
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