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ハリボテの中身がコチラです。
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#【ありがとう、サヨウナラ】#2 柔らかく美しい雪も見る分には良いのに、実生活に支障をきたされるとかなり鬱陶しい。 「もー最悪!」 今日は久々のデート。普段忙しくて会えない彼と朝から待ち合わせて気分は最高だった。…そう、眠りにつくまでは。 夜半から降り始めた雪は10センチと積もらなかったが、普段雪とは無縁のこの街の機能を奪うには十分だった。 バス、遅延。電車、運転見合わせ。タクシー、そんなお金無い! とにもかくにも朝起きた私は絶望した。彼は街の中心に住んでいる。遅れることはまず無いだろう一方私は郊外に住んでいる。自転車で一時間半といったところか。 「…よし!」 絶望を希望?に変えるべく両頬を叩き気合いを入れると急いで準備を始めた。普段は一時間かかる支度を30分で済ませ、家を飛び出し自転車に跨り勢い良く漕ぎ出す。 車通りの少ないうちは車道の轍を走ったが、次第に交通量が増え歩道に移る。人々が踏み荒らした雪道がタイヤをとる。そのおかげで道半ばにして私は3度転んだ。 普段なら待ち合わせ場所まであと10分というところまで来た。しかし既に待ち合わせまであと5分を切っていた。 悔しさから軽く唇を噛みながら携帯を開きメールを送る。 『ゴメン><ちょっと遅れる;』 額に滲む汗を拭い再び自転車を漕ぎ出した。 >――…続く。
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