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心解日記
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目を覚ませば、二時間前と五時間前にそれぞれ起きているという一言と我の名を呼ぶ姿が。時間の空き方から見て、やはり前のように我の言葉が直接届くようにはしておらぬらしいと実感する。我は未だに御前の言葉を拾っては直ぐに返しているのに彼奴はきっと我に言葉を残した事すら毎回忘れているのだろうな。 兎にも角にも、前から余りにも名を呼ばれるので毎度毎度何だと聞いても何でも無いとしか返らぬ。暇なのだろうかと応えた所で以降は先ず返事が無い。然しそろそろ一択の返答も飽きる頃合だろうし、気紛れに甘言吐いては阿呆らしいと一蹴されるのだろうか。……余程、昨日の件が堪えているらしい。また、前のようにと密かに望む心をぴたり当てられ嘲笑われた事が深い傷になっている。我ながらよく咄嗟にあれだけ取り繕えたものだが、実際には、もう、彼奴の言葉が何一つ信用出来なくなってしまいそうだ。否、此の先、彼奴を信用する必要のある日は来ないのかもしれない。いたい、心臓の辺りが。胸の奥底から突き刺されるような鋭い痛み。我は最早、痛覚さえも鈍くなった筈なのに。じくじくと、傷が膿む音がする。此れを抱えて、何時迄我は自分を保っていられるのだろうか。 > 嬉しそうに何度も我の名を呼ぶ彼奴の声が表情が好きで堪らなかった今は其の色は消え果ててしまったとしても其れでも御前の声で名を呼ばれる度に我を求めてくれやしないかと期待する、所詮は我も愚かな唯の男だったのだ。
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