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┗毒入りりんご(21-30/280)

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30 :風見幽香(東方project)
2010/09/13(月) 00:58

首の皮一枚で繋がった心地がした。アリスからの返事は私の心を満たしてくれた。薄い皮から再生させてくれた。

別れる覚悟をしていた、なんて聞いたら貴女は私を笑うかもしれない。でも事実として、そうなのだ。

愛してる。愛してる、私のアリス。誰にも渡さないわ。

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29 :風見幽香(東方project)
2010/09/09(木) 01:14

悲しいのよ、アリス。

私は平気で約束を破る癖に、貴女が約束を破った途端に厭になってしまうの。そんな自分が、悲しくて堪らないの。
だってアリスは約束を破った後、申し訳無さそうに謝罪をして優しい言葉を掛けてくれるんだもの。そんな優しい貴女に、私を傷付けてしまったと自分を攻める貴女に、…一瞬でも批難を向ける私は、なんて醜い妖怪なんだろう。

厭になる。厭になる。
厭に、なる。

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やっぱり、また捨てた方が良いのかしら。
………なんて考えるのは、最低。


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無くなってしまえば、良い。こんな身を切り裂くような感情。貴女に逢えて幸せだった、と微笑む準備をしなくては。
弱くてごめんなさいね。
愛してるの。本当は、貴女の家に綺麗な花を飾って、毎日笑顔で迎えて、一緒に紅茶を飲んだりして。
そういう穏やかな時間を持ちたかった。けれど、もう無理かもしれないから、せめて此処に恋文を。

愛してる、愛してる。
私自身がばらばらになるくらいに、愛してる。
今まで捨てないで居てくれて、ありがとう。

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28 :藤原妹紅(東方project)
2010/09/07(火) 21:18

お前に会えない時間どうやって、過ごしてたんだっけ。忘れちゃった。
居なかった時間とか、会えない時間の方が多いのにね。私は馬鹿だ。ばかだ、ばかだ。

全て捨てられたら良いのに。

捨てよう。捨てなきゃ。
厭だ。厭だ厭だ厭だ。
誰かだれか助けて。捨てたくないの。でも捨てなきゃ私はおかしくなる。自分が自分でいられなくなる。
いつか慧音は私を置いていく。その覚悟を、していたんじゃなかったのか。

何度も繰り返す。
輪廻の海から出られない。
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この醜い感情を捨て置く事が出来ない。その術は存在しない。例え臓物を抉ろうと、死のうと、醜い感情まで不死のリザレクションを、繰り返す。
私が輝夜に抱くような、憎くて、憎くて、すがり付きたくて、手の届かない事に絶望するような感情を、いつからか慧音にまで、抱いてしまって。馬鹿だ。
吐き気を催す程の馬鹿だ。

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27 :風見幽香(東方project)
2010/09/07(火) 12:50

アリス、アリス。
私のアリス。
私だけを見て。
向日葵の花が奇麗に咲いたから、貴女にあげるわ。何でもするから。だから私だけを愛して。

>もう季節は秋だと云うのに向日葵なんてどうかしてるわ、と貴女は笑うでしょうけれど。

私には貴女の笑った顔が何よりも嬉しい。

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26 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:24

0,  蝕  み

私ほどに哀しい妖怪は居ないと思う。だって貴女は私を愛さない。それこそ永遠に交わらないのだ。貴女が人間なら、貴女を忘れることも出来よう。けれど貴女と私は同じくらい永くの時を過ごさなければならない。貴女は私を愛してくれますか。貴女は私を気に掛けてくれますか。くれませんか。返事を下さい。
>…ねえ、___。

永遠の命など要らない。貴女に愛されないのなら、私は貴女にこそ殺されたい。

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25 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:22

1,

書きたい事は山程有る。まるで私を掻き立てる何かが私の細胞の隅々に行き渡って、妖怪の性を侵食しているみたいに、たくさんの事を綴らなければならないと云う使命感に襲われている。比喩が過ぎるかもしれないが、事実、そういう気持ちで書いている。誰かへの誹謗中傷等ではない、勿論自傷行為でもない。私の、あの子への歪んだ気持ちが私に行動を起こさせているのだ。あの子。…アリス・マーガトロイド。私の向日葵畑を照らす眩しい太陽であり、夜の森を優しく包む月のような存在。花が綻ぶように笑み、たまに、もの凄く憎たらしくもなる可愛さの余る人。私は、彼女に“恋”をした。魔法使いと、彼女に恋をした花畑を彷徨く妖怪が、交ざり合って一つに為る事は可能なのか、という実験を試みた。その結果私の中の衝動を掻き立てる程に、彼女は、彼女は、魅力的で。私みたいな妖怪が交わって良い存在では無かったのだと唖然とした。

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24 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:20

2,

唖然としながらも動き出した時計の針は止まらない。勿論過去に時間を紡ぎ直してくれることも為されない。私が恋に落ちたその日に、彼女もまた同じ気持ちで居てくれたらしい。彼女とは何度かの逢瀬を重ね、唇を重ね、身体すら重ねた。けれど手繰り寄せれば手繰り寄せる程に、糸に締め付けられて動けなくなった。彼女を知れば知る程に、私の身体にひとつずつ鉛玉が埋められていくみたいに、苦しさが増した。勿論素晴らしい事だって沢山あるのだ。アリスは私に綺麗な指先で至極優しく触れてくれるし、或る時は荒々しく彼女には些かそぐわないような形で、私を求めて来たりした。私にはそれが嬉しかった。ずっと憧れていた青い瞳の金髪の可愛い可愛いお人形さんを手に入れて有頂天になっていた。しかし、彼女は明らかに自律した一個体で、物言わぬ人形では無い。幼稚な私はそれに気付いていなかった。

>からんからん。

何かが剥がれ落ちて音を立てて少しずつ壊れて行く音がした。剥がす力は何によってもたらされているのかを、私は知る由も無かった。ただただ目の前のお人形さんに夢中になる幼児が、其処に居た。それは私であって、私では無いのだ。

>からんからん。

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23 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:20

3,

崩れる音は煩かった。それを示す様にして日に日に彼女の甘やかな唇から紡がれる言葉にノイズが混じり始めた。『幽香、私貴女が私との約束を守れなかったこと、全然怒ってないの。気にしていないの。ごめんね、だから幽香も気にする事無いわ。愛してる。心配しないで。』アリス、アリス。ねえ、それは本心では無いのでしょう?どうして怒らないの?私は責められて然るべきでしょう?貴女に会えない事に耐えられない私を、貴女に依存して、貴女との約束さえ破るような私を、どうして貴女は責めないの?『だって、幽香は悪くないもの。』ああ、アリス。貴女はなんて優しいの。優しくて、優しくて、私のお人形さんは私の思い通りに動いてくれなきゃ嫌なのに。貴女の優しさだけは、予想外でも、心地が良いの。『愛してるわ、幽香。』私もよ、アリス。私だけのお人形さん。私だけ、私だけのもの!

>からんからん。

しかし、やはり実体としてはそうではなかった。ノイズは一向に消えないし、酷くなるばかりだった。幼稚な私にも段々と解り始めていたのだ。彼女は私の物にはならないのだと云う事。それも、逆立ちしようと、泣き叫ぼうと、決して叶わないのだと云う事。そしてそれは、彼女が拒んでいるのではなく、私自身が心の奥で感じ取っているのだ。それとはつまり猜疑心で、彼女を取り巻く全てが信じられず、彼女の言葉は私自身の脳内で否定されるようになってしまっていた。彼女の言葉を疑って、脳内で否定して、それでもアリスの前で笑顔を取り繕う際にぽろぽろと崩れて行くのだ。転がり落ちて、錆びて、鉛になって、私は動けなくなる。

>からん、からん。

#どうしてだろう。こんなにも愛しているのに彼女を信じられないなんて、私はどうかしている。けれどアリスは魔理沙と仲良く話してた。霊夢とも。人形だって作ってあげてた。私には一度も作ってくれなかったじゃない、どうしてそんな事するのよ、どうせ貴女の言葉も嘘なんでしょう、魔理沙に会うから私に会いに来ないんでしょう。信じられない。私のお人形ならお人形らしく私にだけ笑っていれば良いのに。許さない。アリスなんて、アリスなんて、嘘つきだ。私を愛してなんか、いないんだ。アリス、私はこんなにも貴女を愛しているのにどうして貴女は愛してくれないのよ。魔理沙殺す魔理沙殺すアリス愛してる霊夢憎い全て全て憎い私のアリス私の私だけのああああああ。

>からん、からんからん。

完全に心が崩れて、私の中に貯まった鉛は毒素をばら蒔いた。もう決して修復出来なかった。私はアリスを信じられなくなっていた。愛している人を信じられずに、それでも彼女の為に愛を囁き笑う日々が続いた。私は彼女を置いて逃げた。そうせざるを得なかった。

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22 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:19

4,

私が愛していたのは結局自分自身だった。愚かな妖怪は生身の魔法使いを愛したつもりになっていたけれど、思い通りにならないと呆気なく軋み出して、壊れてしまった。私は人形に執着する醜い幼児でしかなかった。そして、自己保身の為には彼女から離れるしかなかった。彼女の傍に居ると彼女を疑うあまりに、彼女に暴言を吐きかねない。そんな理由で嫌われるのはイヤだった。とても幼稚な自己保身。そして彼女には何も伝えずに、彼女の前から消えるようにして出ていった。それから彼女を取り巻く一切と交わるのを止めた。共通の友人伝いに私の情報が彼女に行くのは堪えられず、それも遮断するためにずっとずっと遠くに行った。彼女は私を愛さない。彼女は私を愛さない。可哀想な私。そう言い聞かせていた。けれど彼女への想いは日に日に強くなった。燻り続けた。どんなに忘れようとしても、どんなに離れようとしても、彼女の姿ばかりが脳裏に浮かぶ。それは、彼女から離れる以上に堪え難かった。けれど弱い自分が彼女と向き合うのは、そう、あまりにも、畏れ多かった。あんなに、あんなに愛していたのに。

そんな折、私の元に一通の手紙が届いた。
差出人は、………アリス・マーガトロイド。

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21 :風見幽香(東方)
2010/08/28(土) 20:18

5,

『風見幽香様  この手紙が貴女に届き、貴方の目に触れていると云うことは貴女がまだ完全に私を忘れるに至っていないのでしょう。この手紙にはそういう類の魔法を掛けました。そしてその事実は私にとって救いになります。だからどうかこの手紙を読むのを止めないで下さい。幽香、貴女が私の前から消えてしまった時、私の心を占めていたものは何か分かりますか。それは醜い嫉妬や、憎悪や、猜疑心です。貴女が私の事を最初から好いてなんていなくて、貴方の紡ぐ言葉は全て嘘だったのだと思いました。帰らない貴女を玄関で待つのは辛く、扉がいつ叩かれても良いように、扉の前で寝てしまったりもした。全て嘘だったんだ、なんて憎たらしいの、そう思わなければ私はとても生きてゆける心地がしなかったのです。永遠の生を持っている癖に、と笑われるかもしれませんが、本当に、それくらい辛かったのです。その事はどうか分かって下さい。けれど私は貴女と離れてから、分かった事があります。貴女はいつも優しかった。確かに私を愛してくれていた。玄関で貴女の帰りを待っていると、馬鹿ね、と言って困ったように笑って、髪を撫でてくれた。上海に悪戯する貴女を咎めたら、“だって、この子はずっとアリスと一緒に居るんだもの。今くらい、二人きりにしてくれたって良いじゃない”と、端正な顔をまるで子供のように赤らめて拗ねて、可愛いかった。ずっと一人で生きていた私は貴女に救われていた。けれど、貴女にとってはどうだったのでしょうか。貴女は無意識のうちに貴女に依存してしまう私が負担だったのかもしれない。その事に思い到ったとき、私は貴女に対して憎悪やその一切の感情を抱く事が、とても恥ずかしくなりました。こんな私から貴女が離れてしまうのも当然だと思いました。ごめんなさい。私は貴女を何も理解していなかった。どうして貴女を憎んでしまう者のところに、貴女が留まりたいと思うのでしょう。貴女を憎んだりした時点で、きっと、全ては決まったのだと思います。たぶん、おそらく、もう貴女は帰って来ないかもしれませんし、ずっと会えないかもしれません。けれどせめて謝罪の言葉を伝えたくて、この手紙を書いたのです。愛していました、幽香。本当は、今も扉が叩かれるのを、ゆっくりと開くのを、待っているの。けれど、それもいつか忘れられる日は来ると思います。今は辛いけれど、きっと大丈夫。だから心配しないで。それでは、貴女の幸せを祈っています。どうか幸せに。 アリス』

(手紙には、ところどころ涙の痕が、見受けられた)

アリスからの手紙を読み終えた時、涙が止まらなかった。手紙を抱き締めて、すぐに彼女に会いに行こうとした。けれど、私を忘れる努力をしているに違いない彼女の元を訪ねる勇気が、私には無かった。アリス、ごめんなさい。ごめん、ごめんね。私は貴女の事をこんなに傷付けていた。その事実からすら逃げようとして。ごめんなさい、ごめんなさい。ああ、アリス。まだ私、貴女を愛しているの。けれど伝えてはならないのだ。彼女の心を守らなければ。彼女の中の私を忘れさせなければ。

>それから幾日か経った後、私もありったけの妖力を込めて、手紙をしたためた。届くかどうか分からない。けれど、書かずにいられなかった。彼女が私を忘れていなければ彼女の元に手紙が届き、読み終えたら、彼女が私との思い出を忘れる呪い。

呪いを込めた手紙を飛ばすのは辛かった。苦しかった。けれど、彼女を苦しめるのはもう嫌だった。

封をして、窓を開けて、手紙を飛ばす刹那、呟いた。

「_してる、アリス」と。

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