まさかの三日目。前までの頁に付け足したり、少し減らしたり。後になったら何枚か破るかもな。アイツが来るまでの待ち時間にって考えてた最初と違って、昨日と今日はいつもの癖でうっかりくっ付きそうになるのを抑える為に筆を取ってる。
後は、こうして落ち着いて考えてみると、距離感バグってたんだな、っていう今更過ぎる反省をしてたり。抑えてるとはいえ隣には座るし、デザート食べさせ合ったりもするから、自分達の事だと思わないで客観視して考えると充分近いんだよな。それでも寂しく思うんだから重症過ぎる。今までどんだけ甘えてたんだって話。お前そんな四六時中べたべたくっ付くような奴じゃないだろってツッコミは受け付ける。奇遇だな、オレもそう思った。
そう思ってはいても、好きな奴が隣に居たらくっ付きたくなって当然じゃん？って開き直りたくなる所ではある。あるんだけど、また拒否られたらオレの繊細な（防弾）ガラスの心が傷付くから自重しとく。末永く一緒に居て貰うつもりだし、一方的に負担掛けんのは長続きしねぇ悪手だってことくらい流石のオレでも分かる。

なんで今回だけこんな気にしたんだろ、って自分でも首を傾げてたら凄いことに気付いた。どっちも記念日じゃん。片方は記念日かどうか分かんねぇけど、多分合ってる。
ある記念日を切っ掛けに恋人とぎこちない関係となってしまった灰谷蘭、そんな彼の元に〜って感じでドラマ始まるやつじゃね？これ。主演オレで梵天の愉快な仲間達と共に恋人の気持ちを探ろうと奮闘するやつ。
つうか、気付かなくて良いことばっか気付いちゃうの、何とかなんねぇの？スリーアウトどころか五連鎖くらい決められてる所為で、もう良いやっていう諦めを通り越して結構ヤバめのとこにヒビ入ってる。１個ずつは何ともないような事なのに、一気に来られると結構キツい。愛されてるって自惚れと愛してるって気持ちだけで立ってるのと、これ本当にオレか？って冷静に指摘してくる脳内のオレが居るお陰で普通に過ごせてるのは助かってるわ。

アイツが何を考えてるか分かんない。嘘、少しは分かる。
そういうつもりじゃないんだけど、そうなっちゃったなら仕方ないよねって雰囲気を必死に作ろうとしてる恋人がバカワイイ。馬鹿な子ほどカワイイって言うじゃん？竜胆にもよく思うんだけどさ、恋人だと弟相手にはカワイイと思いつつぶん殴ってるようなことも許しちゃうから凄いよな。

策士になれない恋人の話

シたくないって雰囲気を醸し出しながらその話題を振って来るのは何で？心配しなくても、もう何回も誘ったりしないのに

と思ったけど、

そう本人には言ってないんだから、そりゃあアイツとしてはまた執念く言われる前に先手打っとこうってなるわな。したくない訳じゃないですよ〜ってアピールしつつ実際するのは避けたいのは察した。でも、その流れ作んのが下手くそ過ぎ。そういう知恵は回るのに変なとこで爪が甘いとこもカワイイんだけどさ。
今日どうするかはお前次第▷オレはしたいからお前次第。ここまではまぁ分かる。昨日から散々そう言ってただろ人の話聞いてんのかとはちょっと思ったけど、体調とか色々気遣ってくれてんだろうなと思うじゃん？その流れからまたお前次第、に戻んのは完全に予想外。オレの意見はずっと変わってないし再三そう言ってんのにまた戻るの、お前次第（って言うけど本音はしたくないから察して断ってくれ）の副音声が付いてなきゃ説明付かないだろ。優しさを履き違えてる感あるな〜…、オレがしたいならって言うの、自分はそう思わないけどお前がしたいなら付き合うぜ、のスタンスじゃん。素直にシたくないって言った方が傷付かないまであるわ。
義務感とかご機嫌取りで言われてんの分かってて、それでも溢れ出る嫌々感に気付かない振りして喜ぶと思ってんなら、オレのこと甘く見過ぎじゃない？ま、そういう風に見てんならそれで良いや。馬鹿にしてんのかとは思うけど、したくない訳じゃないんですって必死に嘘吐いてるアイツがカワイイから、騙された振りしてあげる。オレがそうすんのはお前にだけなんだよ、っていう特別扱いに気付かないまま愛されてるアイツ見てんのも悪い気分じゃないし。

アイツはオレを、というより、地位とか諸々を持った大人を過大評価しがちだけど、大人になるって良いことばっかじゃねぇよな。色んなしがらみとか責任が伸し掛かって来てガキの頃みたいに後先考えないで無茶するとか出来ないし、プライドばっかデカく育ってす〜ぐ保身に走るようになる。
まぁ、結局なにが言いたいかって言うと、アイツみたいに素直に感情を出すのって凄く気力を使うし怖 勇気が要るってこと。三十路にもなると大体の事は経験して来たし、こんな職種に就いてりゃ尚更。対人関係で気力を振り絞るみたいな事は滅多になくてさ。様子見しつつ、薄紙を剥ぐように少しずつ慎重に晒して、さり気な〜く、全然いつもと同じもんですよって面して預けて来た訳だけど、
いやだって考えてもみろよ。何十年と自分で演出した＂灰谷蘭＂だけ見せて来たのに、恋人相手とはいえ情けない所とからしくない姿を見せんのは躊躇って当然だろ。

だから、さぁ。つまり。簡単に諦められるようになった代わりに、薄紙一枚でも破り捨てられたらもう手が動かなくなる弱さも生まれてたんだよ。傷付く可能性が高いのに博打に出るとか馬鹿のやる事だろ。
今もそう思ってるし、これからもそう。でも、アイツのことはそうやって切り捨てらんねぇの。別にアイツは破り捨てたつもりなんて全く無くて、———まぁ、もうちょい言い方は何とかなんなかったのかとは思うけど、根が不良だからオレもアイツも口悪い方だし、染み付いた習慣であってそれ以上のもんは無いのはちゃんと理解してんの。そうなるよなって納得もしてる。アイツがいつも渡してくれるものを、オレも返したい。その気持ちは変わんなくて、その上で、あの時のオレが、どうせまた迷惑そうにされる、嫌そうにされるって耳元で囁いてくんの。頭ん中のコイツを撃ち殺せたら楽なのにな。

他人に指図されんのも行動制限されんのも嫌いだけど、アイツに駄目って言われんのは嫌いじゃない。というか、割と好き寄り。
アイツが駄目って言う時はこっちのこと考えて言ってるやつだって分かってるから、大事にされてんだな〜って嬉しくなる。から、態とアイツが止めるって確信してるタイミングで悪戯仕掛けてたりする。バレたら怒られそう。止められる前提ではあっても、予想が外れて乗って来てもちゃんと責任取るつもりだし良いだろ。
大切にされてる気がするからとは言っても、アイツ以外が同じ理由で言って来たら「 じゃあもう二度としないしさせない 」って宣言してからそん時の機嫌次第で手足が飛ぶかもしれないし、恋は盲目の一例かもな。

それはそれとして。

多少の愚痴

つっても、それが全部に当て嵌まる訳じゃないんだよな〜。これからは、体調崩しても薬で誤魔化そうっと。不調で人恋しいって時に、逆にいつもより寂しい思いする羽目になんのは二度と御免。病人と一緒に寝ないようにするってのは看病の観点から言ったら当然だし文句は言えないけどさぁ…。
付き合う前を抜いたら初めての独り寝が体調不良の時っていうの、どうかと思わねぇ？不調の時って思考が後ろに向きがちだし、使えない時は要らないんだ、元気な時は離れたく無いとか言う癖に、オレが寝てると思ったら出て行くんだ、へぇ〜〜〜って卑屈になる前に寝ることにしたあの時のオレは英断。思考が鈍っててもやる時はちゃんとやる男。自己演出だけに飽き足らず自己治癒にも長けてるなんて、うっかり熱出したのも世の男共からの嫉み僻みが原因かもな。カリスマも辛いぜ……。
なぁんて戯けてみせても気分上がんねぇわ。オレにしては珍しく、それこそ疲労で熱出るくらい真面目に働いたのに！ってガキみてぇに地団駄踏みたい気持ちはあっても、オレもアイツが熱出したら同じ行動するだろうから文句言えないのが似た者同士の辛いところ。

もう良いや、って割と直ぐ諦められるようになったのが、大人になって得た物の１つ。ちょっとずつ教えても良いかもな、ってらしくない事も打ち明けるようになった途端にこれだし、やっぱ自己演出は怠んな方が良いな。らしくない言動も愚痴も、これで終わり。甘えてばっかなのはオレらしくねぇってこと。
次回から、大人の余裕に満ちたオレを乞うご期待。

気付いたら、今月が終わり掛けてた。後で書こうとするとこうやって日が開くから、頁確保して週末が終わるまでに書くって宣言しとこ。
書かなきゃいけないって決まりはねぇけどさ、アイツとの思い出をちゃんと残しときたい。

気付いたら今週が終わりかけてて、慌てて筆を取ってる。何を書くか全然決まって無いのに。……そうだな。そういやこの前、竜胆と店の見回りに行ってる時に丁度嬢とその彼氏の修羅場に出会して。暇潰しに見学しつつ、恋人に浮気されたらどうする？って話になったんだけど、オレは同じことをしてから殺す派で、竜胆は即別れる派なんだと。
そうは言っても、絶対オレと同じ道を辿る気がしてるんだよなぁ。あの末っ子気質が自分のもん横から掻っ攫われて地団駄踏まない訳ねぇもん。カワイイ弟の恋人が浮気したらお兄ちゃんとしては爆笑して揶揄った後でソイツ殺すしか無いから、ちゃんと人を見る目を磨いて良い相手を見付けて欲しいよなぁ。
じゃなくて。一気に今日の頁が竜胆に乗っ取られる所だった。アイツはどうなんだろ。浮気すんなよ、って冗談で言い合ったり、独占欲が爆発しそうな時に余所見すんなよって言ったりはしても、本気でオレに浮気されるとは思って無さそうなんだよな。思われててもムカつくから良いんだけどさ。
こういうもしも話とか、何か起きたらどうする系の質問を真剣に教え合ったこと無いからちょっと気になる。