日記一覧
┗濁流に溺れる(4-13/22)
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13 :
柳沢慎也
2014/03/05(水) 08:53:45
淳が帰って来て、数日。
そう、帰って来た。この部屋に帰って来たと俺は言った。本来なら帰る場所は帰郷した実家の筈なのに俺は淳が帰って来る場所のようにこの部屋を言った。
俺が帰る場所、淳の帰る場所。
一年半程で当たり前になったこの場所。卒業したら暫くは帰郷するだーね。それでもきっとまた寮で顔を合わせて、ただいまって言うんだーね。
俺の隣は淳、淳もそうだといい。
特等席は誰にも渡したくない。
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12 :
柳沢慎也
2014/03/03(月) 02:32:12
週末、淳は地元に帰省していた。
独りの部屋は広く何処か寒いような気がするだーね。物音も自分が立てる以外は静かで、一つ一つが響いた気がする。空間を共有する事に慣れきったら、今度は独りが美味な気分だ。
一日目は裕太の部屋に押し掛けた。騒がしいと観月に怒られたけど何だかんだで一緒に話に花を咲かす。
二日目の今日、裕太を構いに行こうとしたら出掛けた後だったから大人しく部屋でのんびりしてた。
部屋の片隅に置いたダンボールに直ぐには使わない物を放り込んで行く。春にはそのまま進学するけど、この寮からは出る事になるから片付けとくに越した事は無い。けど途中で面倒になったからベッドに寝転んで赤澤にメール。何と無く淳には送らなかった。
それにしても何をしてもさっぱりしっくり来ない。有り体に言えばつまらなだーね。早く淳が帰って来ればいいのに。
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11 :
柳沢慎也
2014/02/28(金) 00:39:45
真っ暗闇の中、目が冴えちまっただーね。
部屋の中も外も静かで身動きすれば布団の布擦れが耳に付く。寝返り打って、寝易い格好を探して、また寝返りを打っての繰り返しで淳に「どうしたの?」と声を掛けられただーね。
起したか?と言えば、僕も眠れなかったからとクスクス笑ってベッドから起きた。俺も釣られて起き上がって暗い中、肩を寄せ合った。こそこそ話すにはそうしねぇとイケナイような雰囲気だーね。肩と肩が当る程にくっつくと一寸暖かくてほっとする。トーンを落として、どうでも良い様な話をした。
いっぱい話した気がするだーね。でもまだ夜中の十二時を少し越えたぐらい。あっと言う間という気もするし、まだという気もする。来月にはもうこの部屋に居ないと思うと不思議な気持ちだ。
やれる事はやってきたから後悔は無い。
でも、もっと長く続いてもいいとは思った。
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10 :
東方雅美
2014/02/26(水) 23:08:30
暫く日記を書いていないなと思えば約一週間振りなんだな。振り返って見ても極々普通の日々を送っていた位にしか記憶がなくて、つまらなくもあるがいい事だと思う。平穏は大事だろう。
そう言えば、何故だか亜久津と此処暫く短文だけれどメールをしているな。本当に短い文章だけどちゃんてた返ってくるから珍しい。室町からも来る。こっちは部活の事がメインだな。そろそろ卒業が近づいて来るからその話とかも、うん、もう2月も終わるのか…早いなァ。
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9 :
東方雅美
2014/02/20(木) 23:01:44
主人公にはなりたくない。
何処にでも居るような脇役でいたい。
最近、バレンタイン後遺症の所為だろうが恋愛相談的な話を良く聞く。クラスメイト、後輩、部活仲間。大体は変な話をしてごめんね。聞いてくれてすっきりした。そう言って笑って行ってしまう。アドバイスはしない。しようも出来ない。俺に出来るのは聞くこと、寄り添うこと。それだけだが、それが有り難いといってくれる。
小説を読んでいるような、テレビを見ているような、映画を鑑賞しているような、そんな感覚で他人の人生のほんの一部を垣間見る。何も出来ないけれどそれだけで良いらしい。
流れに巻き込まれて、濁流に溺れて、水面に映る物を眺めている気分。あっと言う間に過ぎ去って、俺が居た事も忘れて、また別の流れに巻き込まれて、そうしてまた置いていかれる。
停滞が正しい俺。
そんな環境が嫌いじゃない。
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8 :
東方雅美
2014/02/18(火) 17:02:58
>うにゃうにゃうにうにゃきゃあ!
#そうか、お前も大変なんだな。
>うきゃあぁーきゃっきゃ!
#うんうん、分かるよ俺も実にはな。
放課後、近所のスーパーへ南と。
乳幼児位の子が一生懸命、身振り手振りで南に話し掛けていた。レジの傍で母親は会計中を通りがかりに南の裾を掴んだ小さな子はそれから喋りっぱなして、屈んで視線を合わせて頷き相手をする南ぬ母親は恐縮しきっきり。
なんで会話が成り立つのか不思議だ。
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7 :
東方雅美
2014/02/17(月) 23:17:40
#例えば、俺が。
夜の公園で千石を拾わされた。
自動販売機の前に120円で買える温もり抱きしめて夜の帳に走りだせそうもない様子で蹲っていた。俺を見て遅いと文句を垂れる。白のダッフルコートの癖に手袋もマフラーもせず真っ赤な頬と鼻。ガタガタ震える指先には缶珈琲、冷めて随分経つようだ。
メール一つ送ったきり返した返信も電話も出なかったのを問えば電池切れだと真暗なディスプレイを差し出される。受け取ればその指は俺の頬をひと撫でして温もりを掠め取っていった。黒灰チェックの布地が翻り目の前の赤い頬に埋められる。変わりに俺の首元を夜風が過ぎ去った。
文句も出ず、溜息一つ零した。
月に一度程度の割合で千石に呼び出される。大抵、何かあった時の癖に何も零さずただ呼びつけるだけだ。俺も面倒だから聞かない。隣に居るだけで満足するようだから、取り合えず拾いに行くようになってどれぐらいか。
何時もなら何か言い出すまでその場で時間を潰すのだけれど、今日みたいな寒い日に外に居るのは俺が嫌だから帰るの一言で千石の手を取った。
その指は冷たいだろうが、手袋をした上からでは俺には分からない。貸してやるつもりも、温めるつもりもない。其れをするのは俺じゃない。俺の役目ではない。
手を引いて帰る、抵抗は無い。
男二人が手を繋いで歩くとか奇妙だろうな。今が夜で助かった。取り合えず、家に連れて行こう。気がすめば勝手に帰るだろう。
#女だったら良かったのかな。
昔聞いた掠れた声をまだ覚えている。
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6 :
東方雅美
2014/02/16(日) 18:06:39
部活に顔を出したら南が居た。
引退した身とは言え、やっぱり彼奴も気になってるらしくて目が合うと同時に笑いあってた。日課である筋トレは今も続けて居るし、割と練習にも混じっているからブランクも無く、南とのダブルスもいい感じで楽しかったな。
>>>
バレンタインから二日の今日にチョコを貰った…?多分、チョコに分類される菓子だとは思う。
>コレ、お世話になってるので。
差し出されたのは赤箱のお菓子。
日焼けした肌が薄ら赤い。先輩達に渡したくて、とそわそわ落ち着きなく口から飛び出してくる。そう言えば南達も同じの持ってたな。
有難く受け取れば、それじゃお先ですと足速に行ってしまった。
感謝チョコとは言え男から男に渡すのは勇気とか恥ずかしさとか色々あっただろうと思うと……後輩て本当可愛いな。正直、にやついてる。頬が緩みっぱなしだ。先輩冥利に尽きるだろう。
あー…可愛い。男に可愛いってアレだろうけどやっぱり可愛いな。いい事があるから室町の所に行け、って南から送られて来たメールの意味が分かったよ。
来月は、太一と一緒にどっか連れて行ってやるかな。南と相談してみよう。美味しい所知ってるかも知れないしな。
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5 :
東方雅美
2014/02/16(日) 06:37:32
指先に冷たさが染み入る朝だ。
釦一つで珈琲を淹れてくれる機械に水をセットする。カップには牛乳を少し入れてブラックを一押し。独特の音を聴きながらトースターにパンを入れた。
今日は日曜日ながら朝から出掛ける。
この時間はまだ暗く、寒い時期な上に皆休みだから家族はまだ起きて来ない。大きな音を出さないように気をつけて、朝飯を取る。
携帯にメールを知らせる光が灯る。
#何時もの所で待ってるから。
毎回律儀に連絡を彼奴は寄越すから楽しみにしている俺が居る。サッと朝飯を食べてジャージに身を包んだ。なんだが体が軽い。今、笑ってるんだろうな、俺。
彼奴より先に着きそうだ。
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4 :
東方雅美
2014/02/15(土) 22:36:35
#「 東方君、渡してくれた?」
顔くらいなら見た事ある様な別クラスの女子に声を掛けられた、昼下がりの街中。私服姿も重なって誰だったか分からずに居た俺に頬を染めて名乗っての冒頭。
嗚呼、昨日放置して行った内の誰かであると思えば気分が落ちる。誰が何れか何て分かるはずも無いから、部室に置いたと伝えれば目に見えて悲しそうな顔をされた。
用があるからと直ぐに別れたけれど行く当ても無く。何と無く無意味に携帯を弄った。土曜の昼下がり、寒さに寄り添う男女の多い事。昨日の結果だろうな。
指先でメールを送る。
南に暇か?の一文。
暇の一言が返されて嬉しくなる。
肉屋の揚げたてコロッケの看板が目に入った。差し入れに買っていこう。憂鬱な日が終わって普段と変わらない日々が戻ってきた。少しほっとしている。
南と居ると気が楽でいい。
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