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┗279.一匙のゆらめき(21-25/31)

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21 :オルオ・ボザド
2014/01/17(金) 01:35

剣を握る手



師も走る…なんて時期は少し前に過ぎた筈なんだが。
最近と来たら、任務の内容自体は幾分か楽になってはいるものの慌しさには変化が見受けられねぇ。

というのも、任務で同じ死地を掻い潜った奴等と飯を一緒に食ったり、
腰を据えて話をしたり、なんていう機会に最近恵まれているからで。
改めて戦場以外での顔を見てみると、ブレード越しに捉えていた顔よりも柔らかい顔で笑う事を知ったりする。

目に見えるもんだけが全てじゃねぇと気付かされるたび、俺は未熟だと痛感して歯噛みする。
きついときに笑える余裕ってのは、芯の強さの証だと思う、…わけだ。


俺は、まだまだ強くなれる。ならなくちゃなんねぇ。
緩やかに笑う顔を眺めながら、密かに思う。


願いじゃ足りねぇ。祈りじゃ弱い。



>あいつが柔らかく俺を撫でる指先が、恋しい…気がしないでも、ない。


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22 :オルオ・ボザド
2014/01/18(土) 07:41

飢餓



任務と人付き合いの忙しなさで、最近の俺とあいつはさながら主人と犬。
…なんて表現をすれば、後々あいつに報復されそうなもんだが、
俺を待ちながら煙草を吸っているあいつを想像すると、少し和む。

俺のことは構わなくていいから休め、とか何とか優しく嘘を吐きやがるから、
少し意地の悪い(可愛げがないとも言う)返事をしてやったら、
飢えた獣みたいな面して、それでもどこか優しく、キスをされた。


>好きだ、と思う。


優しくしよう、余裕を忘れないように、年上なんだから、と常に自制してんだろうあいつの、箍が外れた時の顔。声。
子供をあやすように揺れていた手が、不意に乱暴なほどに力を込めるその瞬間と、吐息も許さない様なあの空気。

余裕ぶってて食えないあいつの、飢えを隠さないそんな言動の一つ一つ。
普段の余裕さが形を潜めたその刹那に垣間見える、お前の切羽詰まったところが、俺は。愛しいと思う。


…あー、くそ。…キスしてぇ。



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23 :エルド・ジン
2014/01/21(火) 06:54

ああ…



#声

声が聞きたい。アイツの寝惚けた声が。
任務優先しろって言ったのは俺だし、休める時に休んで欲しいのも本当だ。
だが…時には俺もアイツの声が聞きたくなる。

今ならそろそろ戻ってくる時間だろうか?
また朝の珈琲を飲んでいるだろうか?
忙しくて体調を崩してないだろうか?

何時も心配になる。
好きで好きで堪らない。
好きだから無理をして欲しくないんだ。

ああ…でも、我侭を言うなら声を聞かせてくれ。


なんて思っても、年上の余裕を崩したくなくて上手く言えないけどな。

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24 :オルオ・ボザド
2014/01/23(木) 07:33

no title



この寂しがり。

口ではそう言ったが、お前の綴った頁を見て、任務明けの疲れた顔が緩んだのは言うまでもないだろうな。
相変わらずの甘え下手…なのは俺もだろうし、あいつのことをどうこう言えねぇが。

今夜も明日も任務で慌ただしいのは変わりねぇ、けどよ。
お前がそう言うなら任務前に声くらい掛けてやる、から、さっさと起きろよな。

あぁ畜生、眠い。
お前の隣で寝てぇな。


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25 :エルド・ジン
2014/01/26(日) 23:47

可愛くて



眠いのに頑張って鳩を飛ばしてくれて。
アイツの声を聞いたら可愛くて仕方が無くて。
何か、もうちょっと待てるな、と思った。

早く触れたい気持ちはある。
でも、先ずはお前がゆっくり休める環境になるといいな、とも。
それから俺の為に時間を作って欲しい。

こうやって待ってる間、お前の事を考えてるのが楽しい。
俺を何よりも優先しろ、とか全然思えない。
自分を大事にしてくれ、とはいつも思うが。

会えない時間が愛を育てるなんて、俺は知らなかったよ。

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