高尾
高尾
高尾
高尾

バカお。
待っててやるから早く来い。
思う存分甘やかしてやるのだよ。
そのかわり俺の話も聞け。



もっとアイツに触れたいのだよ。バカ。
口が避けてもこんな事言えん。
好きに触ると良いと言われるのがオチな気がするのだよ。
触り方が分からん…。

好きなヤツには言いたい事も言えん、触れる事すら出来ん。俺のこの性格はどうにかならんのだろうか。
高尾を叩くように気軽に触れたら良いのか？

こう書くと高尾の事が好きではない、と書いているようだが、別に嫌いという訳ではないのだよ。

好きなのだよ。

バカ。好きだ。バカ。

アイツの一言でこんなに気分が良くなるとはめでたい頭なのだよ俺は。

俺の好きなものか…何を教えてやろう。

同じ事を思っていたということがこれ程までに嬉しいとは思わなかったのだよ。

俺もアイツの好きなものをたくさん知りたいのだよ。

同じ本を読み、同じ歌を聴き、同じ月を見る。

体を重ねる事よりも、こんな小さな事の方が嬉しいのだよ。

……。


俺は一体何をペラペラと喋っているのだよ…！

高尾昨日はすまなかった。

気が動転して思わず高尾に泣きついてしまった…不覚なのだよ。不覚なのだよ。
大切な事だから復唱したのだよ。


アイツを待つ時間はとても長く感じるのだよ。

このまま話せなくなるのではないかと、心配で仕方無い。
アイツの言葉を信じているのに、それ以上に自分に自信が無いのだよ。
スリーに持つ絶対的な自信がアイツに対しても持てたら良いが…。

俺は心配性でワガママで、意地っ張りで素直じゃない。ダメな恋人なのだよ。
そうだな、恋人という言葉を俺が使って良いのか不安になるほどだ。
俺にアイツは勿体無い。だがアイツと一緒に居たいと思うのだよ。

お前の、約束を守る所が好きなのだよ。
俺が好きだと言った分厚い本を読み、感想を聞かせてくれる所もな。
それから、背伸びしてキスをする所もだ。
俺が言った事を覚えている所も。全部が好きなのだよ。
お前のイヤな所を探しても見付からん。
お前には短所が無いのか？
それとも俺がお前に対して盲目になっているのか？
どちらでも構わん。
…好きなのだよ。

眠れん。

お前が居らんと眠れん。

俺はお前にこんなに依存していたのか。
自分に嫌気が差すのだよ。

こんな不安に襲われるのは嫌なのだよ。
でもお前でなければ不安は拭えんのだよ。
バカ。

お前はどう思っている。
俺はお前が居なくて何かが足りん感覚なのだよ。
ラッキーアイテムが手に入らなかったような、そんな感覚だ。

好きなのだよ。
俺は重いヤツだったようだ。自分でも驚いているのだよ。



すまない、赤司。

アイツから来たおやすみの一言だけで、軽くなった気がするのだよ。

どれだけ単純なのだよ俺は…！

話したいことがたくさんあるのだよ。
アイツのベッドでゴロゴロと転がって話して、たくさんワガママを言って、困らせてやるのだよ。

それまでは、大人しく待つ。