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無声音
(大人向け/惚気日常/いつもげんき)

人魚姫


そんなおとぎ話も、ついこの前までは本気で信じていたんだ。
弦一郎、俺はな。実は海の世界から来たんだ。本当だよ。だからその青さに揺らがされる、俺の還る場所だと誘われる。

しかし、そっちへ行くなと繋ぎ止めたのはお前の手だ。優しく強いその手が俺を掴んで離さない。離さないで。

いつか全てをモノにしようと握り締める実感、砕け散りそうな瞳さえ拝むことが叶わなかったとしたら、俺は泡になって消えるだろう。

おめでたい日。


弦一郎が産まれた日。
おめでとうの他、何も無いのだが記念に頁を。
プレゼントのようなものは何が喜ぶか分からない故、デートに誘ってみた。(俺がしたいだけ)
どこに行こうか、昨日の彼が薦めてくれた海岸にでも行ってみようか。
なんて危険を、

のまれてしまわないよう、かすんでしまわないよう。

あ、そう。
知ってたか？ペニスは食べられるんだぞ。げんいちろうのおちんちんたべちゃいたい。

痛みも喜びにちょっとはなるかもしれない。


初セックスのことはあまり語る気は無いのだが、本当は自慢して回りたいのだが、まあ気持ち良かった。かなりよかった。以上。

それよりも、だ。ろくに眠れなくて頭が痛い。どうしてくれる。おまけに腰も痛い。これはちょっとしあわせ。

なんというか、朦朧とするんだ。意識もそうだがこの身もふわふわと浮いている気分で。
ああ、これが浮かれていると。

お前にたくさん可愛いと言われて、どうやら俺は本当に可愛くなっているらしい。ああ、なんて滑稽なんだろうか。

弦一郎、好きだ。可愛いのはお前の方さ。
起きたらグーで一発お見舞いしてやる。