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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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だがそれ以外の時は基本的に暇なんだそうで、衛生兵も兼業している。そっちも結構楽しいようで、私服まで衛生服なほどだ。ただ本人に言わせると、「医療の仕事やってる時は白の衛生服、私服として使ってるのは桃色の衛生服」として使いわけているらしい。 今日着ているのは、桃色。とすると、医療仕事はないのだろう。仕事や任務の際は結い上げている髪が下ろされているのを見ると、本当に暇なのかもしれない。 「どうしたの、そんなにじろじろ見て」 俺の視線に気づいたのか、彼女は口の両端を吊り上て微笑む。 「もしかして、『今日も美人だな』とか思ってた? きゃー恥ずかしー」 「何勝手な妄想で照れてんだ……」 「女たらしの近くにいると身の危険を感じるわー」 「俺が、いつ、女をたらした!?」 そういう理由で自分から女に寄って行ったことなんか一度もねェよ! ……むしろ、 むしろ俺は、 「……どちらかというと、被害者の方だろ俺は」 「──あら」 彼女の目が、不機嫌そうに細くなる。 「『被害者』だなんて、弱者ぶるようになったものね」 「そういうわけじゃ、──」 ……くそ。 反論の言葉が、思いつかない。 「……結局、あなたには悪夢としての記憶しかないのね」 不機嫌そうな顔から一転し、彼女は自嘲と寂しさの入り交じったような表情を浮かべた。 ……自業、自得だ。いや、芝居という可能性だってある。未だに俺と接触したいが為の。 哀愁漂う表情のまま、彼女は言葉を続ける。 「それでもあたしは、」 ──やめろ。 「あなたのことが、」 ──やめろって。 「今でも──」 「──それ以上言うな」 耐えかねて、俺は制止の言葉を口にしていた。 「俺たちはもう、終わったんだ」 僅かに彼女から目をそらし、早口で言う。 「ふったのは俺だが原因はおまえだ、そうだろ」 彼女は一瞬沈黙し、つんと横を向いてから答えた。 「……そうね」 活気のある大通りとは裏腹に、俺たちの間には沈鬱な空気が漂っていた。 俺と彼女は、つき合っていた。 ──もう三ヶ月以上も前のことだ。
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