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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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* 大国の首都であるこの街には、数々の組織が存在する。 俺が所属する組織──『異端審問会』も、その一つだ。これはお上のお達しを受けて動く、れっきとした政府の組織だ。 やる仕事はその名の通り、ターゲットに対する審問。主なターゲットは政府に仇なす者、もしくは普通に犯罪組織の一員といったところだ。ただ、この『異端審問会』に所属する人間は、武器などでの拷問はしない。 使うのは、己の能力だ。 だからこそ、『異端』なんて単語が頭についている。勿論、ターゲットが能力者というケースも少なくはないのだが、基本的にこの『異端』というのは、俺たちが能力者であるということを知らしめるための接頭語なのだ。 ただ、この能力に関しては、『審問向きである』という共通点以外は全員バラバラの能力を持っている。また、『異端審問会』に所属している時は決して本名を明かすことはせず、会員同士でも互いの本名は知らない。……まあそもそも、『異端審問会』に限らず、自らの真名を口にする能力者はあまりいないのだが。 ではどういう風に呼んでいるのかというと、能力名をコードネーム代わりとして呼び合っている。指令を受ける時のような正式な場、また部下と上司との会話など礼節が重んじられる場面では、能力名をフルネームで呼ぶことになっているが、そのフルネームがやたら長い時は、同僚同士なら普段は短くして呼び合うこともある。 例えば俺と同じチームである虚構審問官(モノクロームクライシス)は『ローラ』だし、絶滅審問官(エクストリームクライシス)は『エリー』と呼ばれている。 そして俺は── 「あら、奇遇じゃない」 ……俺の家の玄関先に陣取って置きながら、何が奇遇だ。 街に散策にでも行こうと思って、扉を開いた矢先の遭遇だ。声の主──虚構審問官(モノクロームクライシス)、通称ローラは、艶然と笑んでいる。絶対良からぬことをたくらんでいるに違いない。横にはやはり絶滅審問官(エクストリームクライシス)、エリーもいる。任務中は制服だが、今日は二人とも私服だ。まあ、俺も当然ながら私服なのだが。 「……で、何の用だ。いくらチームだからって、非番の日まで一緒に行動しなければならないなんて規則はなかったはずだが」 俺の台詞に、ローラは頬をふくらませる。子供かあんたは。というか、実際子供であるところのエリーですら、そんな真似はしてないぞ。 「つれないこと言うわねー、いーじゃない非番でもなんでも。ね、エリー」 「ねー、ろーら姉」 おい、女子二人で意気投合してるんじゃない。 「だいたい奇遇なんだから、規則に書いてあろうがなかろうが別にいいじゃない。ほら、」 だからその奇遇ってのが既に破綻してるだろという俺の意見を言わせてもらう様子もなく、ローラはぐい、と俺の腕を引っ張った。同時に、エリーが俺の背中をどん、と押す。 「さっさと行くわよ、うろちゃん」 「うろにーもえりーたちと一緒に行くんだよ!」 「………………………」 ……そう。 不本意ながら、俺──無限審問官(ウロボロス)の呼び名は、「ロロ」でも「ロス」でもなく──とても残念なことに、「うろ」なのだった。
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