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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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(あの子が種明かしでも……しましたかね) そう考えて、否、と深淵検死官は即座に否定した。 道楽をより楽しめるように、深淵検死官は最初の一回は、ターゲットにここでの死が仮想死であることを告げない。勿論、実際の死と寸分違わぬ仮想死であるが、それでも事前に幻であると悟られてしまうと、やはり死への恐怖が軽減されてしまうからだ。なので、初めて能力を使う相手への種明かしは、極力避けているのだった。 そして彼女はこの道楽に呆れてはいたが、今まで水を差したことはない。彼女は人の死に、わりと淡白なのだ。あの無限審問官の死にしても、現実でならともかく、今のような仮想死ならやや不機嫌にはなるだろうが、前もって彼に種明かしをするまでのことはしないだろう。 と、すると──やはり、死に慣れていたのだろうか。彼の言う『死に慣れる』環境というのがあまり把握できないのがだが、おそらくはこういった仮想死を何回か経験しているか、もしくは『彼女』、不在検死官の能力による不死身性の獲得に類似したものだろう。しかし、そう考えを結びつけたところで、仮想死とはいえ他人の死を散々見てきた深淵検死官にしても、『死に慣れる』という感覚は、全く理解できなかった。 (……ん?) 無限審問官をそれとなく眺めていた深淵検死官は、違和感に気づいた。無限審問官の上半身に穿たれた穴が、ふさがっている。 慌てて龍を見る。龍はまだ、咀嚼していた。おかしい。幻なのだから傷が消えるのは当然だが、それなら龍も、血だまりも、身体を貫通した時の服の穴も、全て同時に消えているはずだ。 深淵検死官が、まじまじと無限審問官を凝視していると──無限審問官が、ゆっくりと瞼を開いた。
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