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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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◇ 廃墟と化したビル群。もともとビジネス街だったのだが、不況が重なり今はもぬけの殻になっている。チンピラも集まらないほど不気味なここは、家からそう遠くない場所のはずだ。俺はどうやら大きく一周してきたらしい。 「鳩レースに出られるかもな」 と下らないことを呟く俺の目に、暗闇で小さく光る物が映った。 「ちぎれたのかな?」 手のひら大の鈴。振ってみると太くて低い、心地よい音色が響いた。いい鈴だ、きっと持ち主も探しているだろう。辺りを見回すと、同じような鈴が転々と、あるビルに沿って転がっている。ふむ、と考える。このようなシチュエーションはそうあるものではない。迷わないように鈴を落とした?いやその線は薄い。人のいなくなったビル群というのは、意外とすっきりしていて迷いにくいものだ。ならば、これは? 謎の気配だ、なんて、どこかの探偵のような気分で鈴を拾っていく。よく見ると、鈴には文字が刻まれていた。もしかしたらこれは誰かからのメッセージかもしれない。しっかりと読み取らなければ。さっきの鈴には「γ」、これには「δ」。何だか楽しくなってきた。一体何を意味して…! いや、と急に冷静な思考が呟く。 (現場の保全のために、そのままにしておいた方がよかったのでは。) 5つ目を拾ったところでそう思い至って呆然と立ち尽くした先に、人影が見えた。 「もう真夜中だぞ…」 現在午前1時。よい子も悪い子も寝る時間だ。おっさんはともかく、あの人影はどう見ても少女のもの。大人として放っては置けない。鈴をポケットにしまって影を追いかける。と、足音と鈴の音ですぐに気付いたらしい。振り返ったのは、やはり14,5の少女だった。
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