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517.【広壮なる】二つ名キャラで小説を書こうぜ 第二章【妄想】
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「ばいばい、」 ばん! と大袈裟なほどの音を上げ、背中の壁に手をつくと、霧散するようにニット帽の男は消えた。対する白いスーツの男は驚くこともなく、淡々と周囲に視線を配りながら、片手を軽く振るい全ての影を収める。 視界に映るのは、しん、と、無表情に静まり返ったコートの中。コートを照らす電灯だけが能天気に明るい。 白いスーツの男は、被っていた白いパナマハットをとり、ため息混じりに後方へと落とした。やれやれ、といった風に酷くぞんざいに。そのパナマハットが地面につく直前にそれは現れた。 辛うじて聞こえたのは、衣擦れだった。しゅる、と言う微かな音とともに、ニット帽の男は地面から生えてきた。頭から、まるで白いハットの影から生えるように、或いは這い出るように現れる。 ニット帽の男の片手が鈍く電灯を反射した。指先が白くなるまで強く握られた、柄のない小さな刃。無駄のない動きで、現れると同時に、背を向けたままのスーツの男、その首目掛けて先端を突き立てた。
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