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609.暇だから小説でも書いてみる
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「迷惑だったかな」 私は心の中でつぶやいた。 今日はクリスマス。 華やかな電飾で彩られた夜の街の中を、大学の男友だちの、今泉くんといっしょに歩いている。 実は、たった今、ケーキが美味しいと評判の喫茶店から出てきたばっかりだ。でも……。 となりを歩く今泉くんが、さっきから、ひと言もしゃべらない。 喫茶店には私から誘ったのだけど……、 「迷惑だったかな」 と私はまた、心の中でつぶやいた。 私のお気に入りの喫茶店。ケーキは噂どおり美味しい。それを今泉くんにも好きになってほしくて、ほぼ無理やりに誘ってしまったのが、いけなかったのかもしれない。 あのケーキの味を、今泉くんが好きになってくれたら嬉しいのだけど……。迷惑だったかな? ケーキを好きになってはくれなかったかな? 考えこんでいると、今まで黙っていた今泉くんが、とつぜん言った。 「好きだ」 「本当に?」 良かった。ケーキを気にいってもらえたみたいだ。 私は、顔の筋肉が緩むのを感じた。 ◆◇◆◇◆ 「好きだ」 と俺はいった。 しばらくの沈黙のすえ、ようやくそれだけ言えた。
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