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┗1153.bur・i・al(96-100/108)

|||1-||||リロ
96 :朽木白哉
2012/06/21(木)04:34:56

 


深層に睡る。

常思い出さずとも、ふとした瞬間に未だ残るものが浮揚するのは何故か。

声音、
言の葉、
細き輪郭から紡ぎ出される仕種と、袂に控え目に触れる指。
其の総てが柔らかく、仄かに甘く。


処処に虚を撒き散らしたかの如き灰の霄模様には、最早過去しか映り得ずとも往生際悪く生き永らえし今生の日々。


兄の其れとはまた異なるであろう、浅き夢より出処の淡き想いの記憶。
深みに嵌まれたのなら、また別の頁が開かれたのかも知れぬ。

…否、傲りか。
思い出す行為すらも、今となっては望まれぬ事なのだろう。



――‥ところで。
兄には時には甘えも必要と幾度と無く諭した記憶がある。
そう簡単に癒えるものでは無い。
私とて幾年を費やしたのだ。兄の情の深さを思えば未だ日は浅い。
選択した結果の後悔ならば、幾らでも聞く胸はある。

と、何度目かも解らぬ意を伝え置く。



.

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97 :黒崎一護
2012/06/29(金)09:25:48

 


井上が残した場所を久し振りに覗いてみた。
あの頃、総てじゃねえけど、処処は鮮明に憶えてんだ。
単に過去が懐かしいんじゃなくて、数年経っても未だ、俺の足が地に着いてる事が感慨深い。


潮の満ち引き。
其れは、新しい波が寄せる様に。
丁度入れ替わりみてえな感じだった気ィする。



だったら、大人しく待てば良いのか。
寄せて返す波が全くの別モンなら、また俺を掻っ攫う様な波が来るかもしんねえだろ。
頭では解ってんだ、そんな簡単なハナシじゃねえ・てのは。
けど、願う事すら諦めちまったら、其処で終わりだと思う。
あァ、俺の話。
想う事は、やっぱ大事っつー話。
海燕と未だ繋がってられんのも、数年を経て井上とまた愉しい話が出来たのも。
この先何年続くか解んねえけど、きっとこうやって過ぎてくんじゃねえかと思ってる。


『此処』は、さ、
『俺』の始まった場所だから、色んなモンを拾って零して、擦れ違いながら生きてくんだろうなァ、とか。



…何だコレ、
恥ずかしいな、俺。

貪慾に粮にして、其れでも一部分、冷淡で排他的なのは認める。
溢れ返る『其の程度』なら、今も昔も必要無えからだ。
大事なモンだけ詰め込んだ天球儀を時々廻して、零れる何かを掬い上げるのは、なんて贅沢な遊びだろう。


未だに残るモンがある俺は、倖せだ。



(19:40追記)

おおう、反応はっえェなァ、オイ。
予想外で思わず笑っちまったじゃねえか。
お前もそうそう頻繁に覗いてる訳じゃねえだろ、実は。


そうだ。
あの頃俺達は間違い無く生きてた。
そして今も確実に生きてる。
唯、『生きる』の意味が俺達が捉えてんのと一般的な単語のソレと、全く同じモンだとは敢えて云わねえけど。

そんな大層なモンでも無えよ、と他じゃやんわり否定されそうな部分が、俺にとっては柱であり土台であり、俺を構築する骨組みになってんだ。
…多分。



言の葉、てのは見えねえのに案外重たいモンで、未だにこうして俺達の中に残って繋がってるとか、当たり前の事なのに沁沁と噛み締めたりすんのは、お前が云う処の『変わった』て事なのかも知んねえ。
当然と云えば当然か。
彼の頃とは違う。
けど、変わらねえモンがあるから、お前も海燕も俺も想ってられんだろうなァ。
変わった部分もひっくるめて丸ごとさ。

俺は、お前や海燕が最後に笑ってられんなら、其れで良いんだ。



.

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98 :日番谷冬獅郎
2012/07/16(月)01:59:19

 





心底、
逢いたい奴が居る。


そして、
もう逢えねえ事も、
熟知して居る。



.

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99 :黒崎一護
2012/07/22(日)09:16:34

 


…ちょ、
今頃気付いて悪りィんだけどさ、
何だ、お前。
そういう大事なコト、此方見て云えよ。

沁沁となら、何時も思ってるぜ、俺も。
凄ェ昔の話みてえだけど、結構鮮明に憶えてる。
…部分的にだけどさ。

時々ったら時々だよなァ、確かに。
井上なんかは、特に。
けど、前も云ったけどそういう事に不安を感じたりはしねえんだなァ、コレが。
端から見りゃ切れちまったのかと思える様な間隔も、ずっと繋がってられると安心出来んのは、時間に関わらずそんだけの信頼関係が其処にあるからだ。
そういうのは、海燕や井上の人柄でもあると思うぜ。別に褒め千切る訳じゃ無えけど、厭な嘘が無えのが解ってっからかもな。

で、だ。
俺の間違い、て何だ!?
其処等辺、全ッ然憶えて無えんだけど!
俺が居る処に海燕が来たんだろ。内心ばくばくだったのを憶えてる。彼の頃の俺は、こう云っちゃ何だが悪りィ宗教に傾倒してるみてえな状態だった。俺の9割が形成された頃。
後悔は一切無え。
総てが俺に必要だった。今でもそう思ってる。


海燕はさ、井上以上に肝心な事は何も云わねえから、勝手に読み取るしか無えんだ。井上は真っ向勝負だから良くぶつかったけど、海燕はそういうの無えだろ?
皆が同じ付き合い方なんて有り得無えから、だからどうしろ、てのは無えけど、話す時は何時もちゃんと考えてくれてんのは解る。だから何かあれば必ず頼るし、逆に俺もそういう存在になりてえと思うんだ。
俺の言の葉に意味なんか幾つも無えよ。云いてえ事はひとつなんだよ、常に。
唯、含みがあって受け取り手によって違う解釈が生じるだけで。
けど、俺を知ってる二人なら何を云わんとしてんのか、直ぐに解るだろ。


変わる事が当たり前の流れの中で、変わらねえモンが在ったって良い。
俺みたいなのをそう捉えてくれる事の方が、俺にはホントに有り難いんだ、て、解ってんのか。
お互いサマ。
けど、もう少し見せてくれてもイイんじゃねえの?と思う時は確かにある!一人で抱え込むのは昔っからだから、慣れっこと云えば慣れっこで、多少引く事も覚えたけどさ、俺も。
俺に切っ掛けをくれたのは、あんただろ。
彼の頃の俺は、冬獅郎しか見て無かった。
真子の時も、溺れて死にそうになってた俺をずっと見ててくれたのは、あんた達だ。
だから、其れは、俺の科白でもある。


有難う。大好きだ。
今迄も、これからも。
ずっと、大好きだ。



.

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100 :日番谷冬獅郎
2012/11/07(水)06:47:48

 




荒れる。

荒れる、荒む。


どうにもならねえと
解って居るのに、
どうにかならねえかと
足掻く内側の焦燥感。
其れに理由があるなら
手の施し様もある。
…かも知れねえ。
大体な、
忙し過ぎなんだよ。
彼奴等、人を何だと思ってやがる。



――…元気そうで。
数日前の話とは謂え、
まあ、何よりだ。
元から気紛れな鱗翅も
今は更に
飛ばす余裕も無え。
想っては居るんだぜ。
俺なりに。


冬が近くなって、闇が長く居座る様になった。
暗幕の中の様な微温さはまるで皆無で、冬霄に咲いた花火だけが
小さな明かりを灯す。

思い知る事は、
唯ひとつ。
絶対謂わねえ事が、
唯、ひとつ。




俺は。
何の為になら、
この身を棄てられるだろう。
真っ当な答えなら、
既に漁り尽くした。
其の上で。
尤もらしい解答は何だ。



溜め息しか出ねえ。
醒め過ぎだろ。
碎けただけなら
未だマシだった。
其れを手放したのが
失敗だったらしい。
だが、重要なのは、其処じゃねえ。
問題なのは、取り戻す気が無え、て処だ。



月、が。
酷く恋しいのは、
其の記憶を
さっさと棄てられずに
抱えた儘で居た、
俺自身のせいだ。

喪いたくねえもの程、
中途半端にしか出来無え
俺が、悪い。

この期に及んで
堅実さを厭う俺は、
賭事より勝率の低い
月の光と星が降る夜を
未だに待って居る。



.

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