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┗1622.玉散る刃の巡恋歌(146-150/186)
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146 :
浦原喜助
2011/03/02(水)02:28:46
正直少ォし妬けました。
…なァんて言ったら、キミは困った顔をしますかねえ。
そもそも、アタシを好いてくれた理由は唯一つ。
アタシがキミに惚れたから。
アタシがキミに愛を告げたから。
キミがアタシに惚れた訳じゃあ無い。
キミからアタシに惚れる理由は何一つ無い。
キミはアタシの何処を好きなんスか?
姿格好も違えば嗜好も違うアタシの、何処を好いてくれてるの?
アタシはキミらしいキミだから、今も昔もキミが好きなんス。
何度も言うように理屈じゃ有りません。
けれど、キミの何処を好きなのか、キミの何処を尊敬しているのか、と問われれば幾らでも答えましょ。
キミは何時でも真っ直ぐで、其の癖素直じゃ無くて。
優しさ、と云う言葉が嫌いな癖に人一倍ヒトに気を遣う優しい子だ。
何も考えてない、俺は馬鹿だから、と。
口癖のように繰り返すキミは誰よりも思慮深い。
そんなキミがアタシは大好きっス。
其れじゃあキミは?
キミはアタシの何処を好きなんスかねえ。
何もソソられないアタシの。
何処に魅せられて、
愛を紡いでくれるんスか?
絶対に纏わないと決めているから。
言う必要も無かったのに、思わず口を吐いて出た科白に自らゲンナリした。
単なる負け惜しみ。
吁、馬鹿だなァ、アタシ。
こんな意地悪なコトを言ったらキミが困るの知ってるのに。
キミがキミらしく居られるのはアタシの前だけであって欲しいと願って仕舞う。
キミの口が告げる名はアタシの名だけであって欲しいと求めて仕舞う。
独占欲に塗れた手前を覆い隠す布地は、最早手許に残っちゃいません。
キミだけが、アタシを駄目な男にさせる。
キミの前だけでは格好良く在りたいのに、キミを想えば想う程アタシは阿呆な男に成り下がる。
詰まらない野郎で御免なさい。
其れでもアタシは、
キミだけを愛してます。
── 雨ガ降ル夜 ──
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147 :
志波海燕
2011/03/05(土)02:54:50
満タン、か。
照れ臭そうに笑いながら眠りに着くオマエが何よりも愛おしく感じた。
手前のくだらねえ嫉妬や屈折したプライドでさえ、オマエの笑顔が見られるんならどォでも良いモンに思えた。
そうだ。
俺は唯、オマエの笑顔が見たかった。
美味そうに飯を喰う姿も、
愉しそうに大声張り上げる姿も、
俺だけに向けられる最高の笑顔が、唯只管に見たかっただけだ。
涙を流そうとも、
怒りに苛まれようとも、
最後はサイコーの笑顔で俺を出迎えてくれ。
明日も明後日も、其の先も出来る限り永く。
オマエの笑顔が絶えませんように。
オマエは俺が護って遣るから、
オマエは俺を護ってろ。
明日も確り気張ってきやがれ。
責任なんざ幾らでも取って遣る。
今更ンな野暮な事を聞くんじゃねえよ。
── 寸暇ノ平穏二感謝ヲ ──
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148 :
グリムジョー・ジャガージャック
2011/03/10(木)02:18:22
唯でさえ殺風景な宮が益々ガランとして見えやがる。
テメエが居ねえから寂しいとか、ンな微温ィ感情じゃねえ。
半身殺がれちまったような錯覚に些かの戸惑いすら憶える始末。
湧き上がる餓えを抑えるべく三下野郎を喰らってはみたが、益々以って盛大な枯渇心が這い上がって来やがった。
叩ッき斬ろうが噛み血斬ろうが全く収まら無ェし。
何もかんも徹底的にブっ潰してやりてえ。
二度と立ち上がれねえように、
永久に抗えねえように。
俺は俺が持ち得る最大の牙で凡ゆる万物を捩じ伏せる。
傲慢上等、身勝手最高。
ハッ!気に喰わねえなら何時でも掛かって来いや、雑魚が。
啼け!
喚け!
跪け!
自尊心なんざクソ喰らえ。
テメエん中にある至高の踊りを、俺の前で観せてみな。
俺だけに魅せてみやがれ。
騎士気取りの飄々とした彼奴の皮ッ面も、一枚捲りゃあこんなモンだ。
渇いて渇いて仕方が無え。
テメエの喉笛咬み切って、朱に塗れた四肢を愛で斃して遣りてえと願ってる。
交えた牙刄はさぞや艶っぽい聲で哭くんだろうなァ。
俺ァ誰にも従わねえ。
彼奴の支配下に置かれるなんざ真っ平御免だぜ。
俺は俺自身欲するが侭、俺のシてえようにするだけだ。
戻って来たら覚悟しとけ。
イヤ、覚悟なんざ要らねえか。
テメエの望み通りイかせて遣るよ。
眩暈と共に訪れる至福の快感。
殺り合う最中でのみ生まれる高揚感。
最高の闘いじゃねえか。
なァ、最愛サンよォ。
──微睡ミニハ戯レヲ──
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149 :
浦原喜助
2011/03/18(金)11:13:51
無知は恐怖を生み出すが、有識者は其れ以上の畏怖を憶える。
識るのがアタシの仕事だとしたら、知らせるのは彼等の役回り。
不慣れなコトはするモンじゃありません。
百年前、試験管相手に会話していた頃が酷く懐かしい。
『救ってみせる』
『解いてみせる』
平然と口走ってたアノ頃に戻れたら、少しは楽になるんスかね。
無知と云う愚かさを知らぬ侭先へと進めていたら、其れの方が幸せだったのかもしれない。
悲しき哉、人生ってのは平等では無い。
平等であれ、と。
人間が望んでいるに過ぎない。
現実はまさに不平等且つ理不尽の嵐。
其れでも受け入れざるを得ない。
実に世知辛い。
然し、だ。
其れでもセカイは変わらない。
否、変わるべきではないのかもしれません。
『変えよう、絶対変えてやる』
足掻き続ける人間の希望として、セカイは何時迄も変わらない方が良い。
『其れでもセカイは廻ってる』
── 職責ノ業 ──
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150 :
志波海燕
2011/03/24(木)01:58:52
二百は超える、か。
討伐任務は嫌いじゃねえが、四番の連中と連れ立って行くのはちィと面倒だ。
十二番から拝借してきたモン使って善し悪しを割り振る。
唯、淡々と。
笑顔は絶やさねえように気ィ付けながら、最後は背中をポンと叩いて遣る。
『大丈夫だ、心配ねえ』
引き攣った笑みは覆面が隠してくれる上に最後は四番任せ。
事実、大丈夫じゃねえなんて事は皆無。
半ばマジナイみてえなモンだ。
然し、辺りには独特な雰囲気が立ち込める。
極度の緊張感と不安感。
ベニ油にドロっとした絵具が混ざるような気色悪ィ感覚。
誰しもが好きじゃねえと口にするが、好き嫌いで片ァ付く話じゃねえわな。
遣るべき事を熟す。
其れが俺等護廷隊の任務だって云うのなら、首を横に振る権利なんざねえ。
譬え飲まれちまいそうになっても、俺等の出来る事を精一杯遣らなきゃならねえ。
吁、解ってる。
此れが俺等の存在意義だ。
身体痛ェ。
畜生、煙草迄も不味くなってきやがった。
── 無明 ──
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