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感覚がバグってる、と聞いて成程と思った。
俺は俺自身のことを一切信用してへん。俺の言うことは全て正しくないし、誰のためにもならん。優しいふりして人に投げる言葉も全部根本は自分のため。
全ての思考がくだらなくて自分勝手で碌でもない。それが、俺自身に見えてる俺の姿や。
俺が居るのに俺以外の奴を好きになったのは?
そいつにとって一番で居られなかった俺のせい。
俺が置いていかれたのは?
負担になると判断された俺のせい。
お前は好意を勘違いしていると言われたのは?
依存して依存して、勝手に癇癪を起こした俺のせい。
お前への感情は恋愛感情じゃなくなってたと言われたのは?
気付かないふりをしてそれでも押し付けていた俺のせい。
全部俺のせい。
それが、俺にとっての認識や。自分でそうだと納得している認識。
俺にとって、これは何一つ間違ってないねん。確かにそうやと思ってるから。
でももしかしたら、他の誰かから見たら異常やと思うんやろうか。
もうひとつ、俺には何も出来ひんから。
おもろい事も言えんし出来ひんし、実りのある話も出来ひんし。特出したものはなんも無い。それなのに他者に依存して生きていこうとする、害悪やねんな。正直生まれてきたこそすら間違っとると思っとる。
だから自分が何か窮地に陥るようなことがあっても、しゃあないな、としか思わへんねん。しゃあない、そういう運命なんやろうなって。でも俺以外はそうやないやん、少なくとも俺の周りは。優しいやつも立派なやつもたくさん居るやん。だからせめて、自分が大事だと思うやつには尽くしたなんねん。それで漸く、少しでも誰かの力になれるかもしれへん、って思えるから。そうでなかったら、存在する意味もない。
ずっと、そう思いながら、他者に縋って、砂糖をぶち込んだ泥水啜って生きてんねんな。
多分きっとこれも全部間違ってんねやろな。おかしいんやろな。
ついつい人がしとった話を自分に置き換えてまうのは良くない癖かもしれへんな。珈琲のゾムに気ィ遣わせてしもたかなと若干反省しつつ。ありがとな。お前がそう思ってくれとる、ってことはしっかり覚えとくわ。
ところで、言葉は人を傷付けるって言うやろ?これな、自分相手でもそうなんねん。自分に向けた毒はそのまま自分を蝕むことになる。そうなりゃ当然苦しくなんねん。苦しいうちに、やめときや。苦しくても痛くてもずうっと続けてたら、俺みたいになってまうで。痛む心はどっかに落としてきてもうた。壊れるまではあっという間やから、そうならんように程々のところでやめとくんやで。もし、自分を大事にしてくれる奴がおるなら尚更。自分をすり抜けた先、そいつまで傷付けてしまうからな。