アイテム回収も早々に終了。何をしようかと思っている内にきっと寝落ちするんだろうな、と自分のことを他人事のように考えつつぼうっと過ごしている土曜日の朝。
……そういえばこの前の課題のために教科書を読んでいた時に気になった植物があって、そのキットを買ったんだよね。開けるタイミングを掴み損ねてたけど、天気も良い今日から育ててみるのも良いのでは。育て方は比較的簡単で初心者向けだって言う人もいるみたいだけど、とはいえ種からとなるとやっぱりある程度難易度は上がるだろう。そうと決まれば頼りになるネットの海をふらふらして、立派に育ってくれるように環境を整えないと……！あ、オルトと観察日記をつけるのも良さそう。情操教育ってやつ。好奇心旺盛だからきっと喜んでくれるはず。待ってて、オルト。育成方法を完璧にマスターしてくるから。

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11:55
日記のタイトルは気に入ってるからこのままだけど、実は個別の記事には心の中でタイトルを付けてる。あの子は「タイトルにされると恥ずかしい」って言ってたから、あくまでこっそりと。
そして本棚に入れてくれていた彼の言葉に激しく同意。優しいアズール氏の友人とその恋人である彼もまた、同じく優しい人だろうね。幸せそうな日記を読んでいると、そんな感情で癒されるから好き。リアルなんてろくでもないと思ってたけど、悪くないですな。

僕は夢を見ない。あ、誤解しないでくだされ。それは何も「夢なんて見ても叶うはずないから」なんて中二病的な意味ではなく、シンプルに「眠っている時に夢を見ない」って話。正確には見ない訳じゃなくて、っていうか「助けてオルト……！」という何とも情けない自分の声で起きることも実はまあそれなりにあるけど、内容を覚えていないのだから実質見ていないに等しいのでは？っていう拙者の勝手な認識。独断と偏見、ってやつですな。あ、意味が違う？いやまあ、そこは本題から逸れてるから気にしないで。
そんな僕が夢を見た。起きてから呆然として、確認して、それからしばらく顔を覆った。夢ってさ、いくら非現実的なことでも起きた直後はただただ『怖い』とか『嫌だ』とかそういう感情が込み上げてくるんだよね……嫌な感覚。でもこうして書いてたら落ち着いてきた。
……この時間なら人はいないだろうし、す、少しだけ外の空気を吸ってこようかな……そうすればもっと落ち着く、気がする。こんなことを言うと「陰キャのくせに外に行きたいとか陽キャぶってるの？キモーい！」って聞こえてきそうだけど、夏の空気は結構好きだから。いやまあ正直なところ、この空気を画面を通じて味わえるようになればいいのに、と思うほどには外に出たくないけど。ゴーストの件もあるし……拙者の引きこもり具合をナメないでいただきたい。
と、本当はもう少し書いてたけど打ち込んでいる最中にフリーズしてうんともすんとも言わなくなったから書き直した結果がこの日記。フリーズした衝撃で夢での動揺を忘れられたから良しとしておくしかないですな。

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寝起きの彼は普段よりも雰囲気が柔らかい。そっと揺すると眠そうに起きる姿を見る度、ずっと寝かしつけてあげたいな、と思うのにそうはいかないことが悔しい。何故こんなにも眠そうな子を起こす非情な真似をしなければならないのかって、それは我々が学生という身分だからである以上証明終了……。

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日記を本棚に入れてくれている人がいた。ありがとう、拙者もひっそり読ませてもらってますぞ。あと、上手く言えないけどアズール氏の日記を本棚に入れている人を見つけると嬉しくなる。彼の言葉や性格が大好きだから、こう……誇らしくなる感じって言えば伝わる？いや、これ拙者の語彙力なさすぎでは。
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21:33
まだこんな時間なのに睡魔に襲われてるのはどうなのか。拙者の体内時計がバグってる件。
あと、当然気を付けるけどもし誤字脱字があった時のためにメールボックスでも置いておくべきかな……ちょっと眠気覚ましにそのことについて考えておくでござる。

おーい、アズール氏。『隠し切れないゆるキャラ感』とは一体。拙者ただの陰キャですが？そこについての詳しい解説求む。
という質問はさておき。──彼から日記を見せてもらった時、色々な感情が込み上げた。可愛い、この人が好きだ、ずっと大事にしたい、思いきり抱き締めたい。……なのに、再三言ってるけど拙者は陰キャなオタクだから「嬉しい」だとか「ありがとう」、「秒でお気に入り登録余裕」みたいなありきたり且つオタク丸出しな言葉しか出てこなかった。でも彼は僕のその喜びを全部汲み取って、嬉しそうに笑ってくれたんだよね。アズール氏のそういうところも好き。僕は器用に恋愛を出来るタイプではなくて、でも当たり前だけどそれを理由に気持ちを伝えずに「いやそれくらい察して」みたいなことはしたくない。そうやって格好付けようとして、その結果噛んだりして空回りしてる拙者に「大丈夫、分かってますよ」って言ってくれるアズール氏に毎回顔を覆ってる。
彼は器用で、僕は不器用。
僕が飛行術の授業でめげても「イデアさんなら出来ますよ」って励ましてくれるし(しかしアズール氏、君もここにいるということはつまり……と言わないのは僕の優しさである)、僕が落ち込んでしゃがみ込んでたら頭を撫でてくれる。落ち込むっていうかまあ、主に頭痛に苦しんでる時なんだけど。もう頭なんていらない、って言ったら「頭が無くなったらわしゃわしゃ出来ないじゃないですか」って返してきたのは可愛かったですな。
アズール氏がこの日記を見つけたのは本当に早くて、しかも「僕のイデアさんかな、という日記を見つけたんですが」って冷静だったんだよね。だからそれこそ、そんなに喜んでくれてたんだって僕の方こそ嬉しかった。
……こ、これだけで終わると単なる交換日記では……！？拙者の日常とか別にどうでもいい気もするけど、日記らしくするために何か……あ、ここ数ヶ月プレイしてるネトゲのアプデがあったからあとでチェックするつもりでござる。それから前に課題のために引っ張り出して積み上げたままの資料を片付けて、あとは……いやこれ日記っていうか単に出来事を羅列してるだけでは？不器用というレベルではないのでは？？もう開き直って交換日記状態でも良い？だ、だめ……？

ねえ、アズール氏。僕はアズール氏の性格も文章も全部好きだよ。自分では格好付けてるって言ってたけど、アズール氏の頭の良さや僕に対して驚くほど優しくて甘いところが隠せてない、そんな柔らかい文章が好きなんだ。だから短くまとめようとしたりしないで、思うままを書いてくだされ。

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しかしそれにしても、最近暑すぎない……？溶けそうでござる……オタクは暑さに弱いから何とかしてほしい……。

▼掌底と憧憬

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Disastrous flood

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