お互いを動物に喩えたら、という話題になったのだが…暫く考えてからあの子が口にした動物というのが
「タコ」
…一瞬「このタコが」という罵りかと思ってどう矯正するかと考えてしまった。どうやら罵りではなく立派な喩えだったらしい。タコの擬態は凄いんだ、海から岩場に上がると一瞬で変わるんだと話すあの子はまるで水族館が大好きな子供のようで可愛らしかった。
私は所謂外面というものに重きを置いている節があるから彼の言う擬態というのはそういう事だろう。中身は拗れたただの男なのだがそれを知っているのは君くらいのものだ。時々蛸壺に引き篭もる、という点もどうやら私に似ているらしい。
斯く言う勝己はと言うとこれは私の中では一択。カワウソだ。前にどこかで見たカワウソの甘え方があまりにも勝己のそれで、驚きのあまり君の親戚か何かかと……、冗談だから爆破はやめなさい。
普段人前ではそんな片鱗すら見せないし私が人前で迫ろうものなら即爆破の勢いだが、二人きりの時は存外甘えたで常に私のどこかに寄り添っている。…いや、君こそタコなのでは。然しカワウソはマストなのでタコウソという新たな生き物が誕生してしまった。
タコ同士これからも末永く宜しく頼むよ。
#これは余談だが
はみ出さずに日記を書けるようになったと思いきや元気良くはみ出して私に助けを求めにくる君が可愛らしいのでそのままでいてくれ。
書類を片付けていたらいつの間にかこんな時間になっていたな…。流石に二徹は違法デニムになってしまうから私もそろそろあの子の隣に潜り込むとしよう。
私がデスクワークに励んでいる中それに付き合ってくれていたあの子はかなり無理をしてくれたのだと思う。言葉を多く返せる訳ではなく端的になってしまう返事に文句も言わず。普段はあんなにも物騒、……爆発的だというのに。たまに見せる凪いだ一面もまた君の魅力の一つだと思いながらまだ少しあどけなさがある寝顔を見ている。眠らなくてはいけないが、あと少しだけ。
普段から色んな場面でこの子への想いを自覚するが寝顔はまた一入なのかもしれないと思う。自分のテリトリーというものが明確で人に土足で踏み込まれるのを厭うこの子がこうして今私に無防備な寝顔を晒している。それが堪らなく愛しい。
また一つ君への想いが強くなった心地でとても良い夢が見られそうだ。
おやすみ、勝己。
ここまで書いたのが確か三時頃だった気がする。
そのあとすっかり眠ってしまっていた。
そろそろあの子におはようを言いに行こうか。
2022年2月28日(月)
勝己
君が優秀過ぎて私は
膝から崩れ落ちる勢いだ
22:22過ぎに来たあいつからのメッセージに盛大にドヤ顔してやった。俺を誰だと思ってんだ。
前にあいつから聞いてたが実際にここまで2が並ぶとすげぇな。って言ってもこのスーパー猫の日は特に何もしねぇでいつも通り過ごした。次のハイパー猫の日は200年後。あいつと俺が生きてられる中でいっちゃん2が並んでる日を一緒に過ごしたからそれで満足。
死んだ後でも、紡いだ糸を切らねぇで探し出すがな。
そうやって不用意に俺を待ち上げる。…君、そういうところあるよな。こんなしがない警官一人捕まえて、君の心の中の色眼鏡はだいぶ色が濃くなった。こう言うと色眼鏡は掛けてないと叱られるんだが。
君の隣に立ってその道を共に歩んでいる事は誇りに思っているし、君の好きな屋久杉に負けないくらいの大きさで堂々たる思いを伝えていきたいとは思っているんだが…なんたって相手は世界のヒーローだ。幾つ言葉を並べ立てたところでそれが果たして見合っているのか。これも君に否定される案件だが俺も自信が無い訳じゃないさ。…表立って口にするのは照れるんだよ。察してくれ。とは言え言葉にしなければ伝わらない事もあるのが現実だ。君が読んで嬉しくなる事の一つでも書き残しておこうか。
当然に君が居て当然に君の手を取って共に眠る。そんな何気ない毎日を過ごせる事が俺にとっての幸せなんだと思う日々だ。君は平和の象徴だが、俺にとっては幸せの象徴だと常日頃から思っている。俺の前ではそんなただの一人の人間だがそれでも君のどんな姿も見てきた。だからこそ全てを尊敬しているし、理解しているし、どんな君も余さず…いや、やっぱり皆迄言うのは何だか気恥ずかしいな。これはまた直接言おう。はは、残念そうな顔をしなくても君が起きたら一番に伝えるよ。
>ベッドに引きずり込むくらいの余力もあって欲しいが、もっと歳を食ってから縁側でお茶を飲みながら猫を愛でるくらいの余力も残しておいてくれ。