ただの記録、独白、それ以上でも以下でもないものの集まり。あいつに教えてやるかはまだ決めてねェが、まァ自力で見つけ出すってことは無いと高を括っているのは否定しねェ。見つけたら褒めてやる。

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おれとあいつは恋人なんてモンじゃねェし、何度でも言うが友達でもねェ。一時の同盟相手、……恩人、なんて呼称に関しては、少なくともおれはただの気まぐれで助けたに過ぎねェから却下。まァあの時麦わら屋がいなけりゃおれの頭蓋は粉々になってただろうってのは、事実として置いておくが。
高い体温、裏表なく笑う顔、無防備に晒される急所。おれが寝首をかくなんざ欠片も思ってねェような仕草ばかりで気が抜ける。喧嘩になっても勝てると思われているんだったら、それは単純に腹が立つ。だけど多分、おれと争うことは根本的にあいつの頭の中にこれっぽっちも無いんだろう。馬鹿だ、と思う。面と向かって何度もそう言ったところであいつはほんの少しも気にした素振りを見せない。無理やり風呂に突っ込んだのに、清潔な石鹸の匂いの中に潮風と太陽の気配が残っていた。…それに、やけに安堵した理由は今は考えたくない。