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┗薔薇を摘んだ野獣の噺
　┗編

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#夜　(not健全) 帰宅して帰る頃、大抵あいつは眠っている。 59務の関係上、朝早くに出て夜遅くに帰ってくるから、なかなか時間が合わない。 それでも、かつての恋人に感じていた疑心暗鬼や不安、そういった所謂負の感情が殆んど無いのは、俺が欲しいものを欲しいだけ、欲しい言葉を欲しいタイミングで返して『疑心暗鬼』や『不安』の穴を出来た端から埋めてくれるからなんだろう。 毎日会えるわけじゃないのに満たされる心地好さ、それが気持ちいい。 とはいえ、身体の欲はとても素直なもので。 帰宅してシャワーを浴びたらまず、ベッドで眠るその寝顔を眺めてキスをする。 キスをしたら、今度はあいつの夢にも届くように愛を囁いて、もう一度。 それからは意識するまでもなく、本能が促すままに手を滑らせてシーツに潜らせ、起こさないようにしながら……手で、指で、唇で、舌で触れて、愛しさのままに飲み干してやっと少し満足。 あとは隣に潜り込んで抱き締めて眠るのが日々の習慣だったりする。 今日も、もちろん。 週末まであと少し……待ち遠しい。
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