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267.勝手にアイス食うな。
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62 :月島蛍
2020/05/04 02:40



〆 幽霊騒動①


引っ越してから一ヶ月が経った。初日に不思議なことはあったけれど、時間が経つにつれてそんな出来事は忙しい日々のせいもあってかすっかり忘れていた。
部屋の片付けも一通り終わり、大学生活もスタートを切った。日向とは付き合っているが、これと言って特に何もなく、夕飯を食べた後たまに肩を触れさせたり、手を触る程度の接触はあってもそれ以上は無い。新しいバレーチームでの練習も始まっていたので、お互い疲れていてそれどころではないというのも理由の一つだった。

(!アテンション!)
(※背後の実体験、友人知人の体験話を含む互いのハプニングの応酬が飛び交うのでホラー表現苦手な人は注意※)

不思議体験・2

バレーが休みのある日、午後の講義が無く先に帰宅していた日向が影山とビデオ通話をしていた。

日向「おかえり月島ー!」
影山『へぇ、本当に一緒に住んでんだな』
ボク「…げ。王様」

リビングのソファに寝転がる日向は仰け反った姿勢でおかえりを告げた。その手には日向の新調したスマホがあり、画面には影山が映っていた。『おい、久しぶりなのにげってなんだ、げって』と不愉快そうな声から逃れるため足早に自室へと逃げる。
すると影山が、日向に変なことを言った。

影山『おい、日向。お前月島と付き合ったんだろ?女連れて帰るとか、怒った方がいいんじゃねーの』

自室の扉を半分開けた手を止め、リビングを振り返る。振り向いた日向のきょとんとした顔と目が合った。影山に僕たちのことをいつの間に話したとかそういうことはこの際どうでもいいが、唐突に言われたそれは不愉快極まりない言葉だった。浮気なんてするはずがない。

ボク「ちょっと王様。日向に嘘吹き込むのやめてくれる?女連れて帰ったことなんて一度もないんだけど。一体どうゆうつもり?」
日向「え、おれ、浮気されてんの?やっぱりな、最近怪しいと思ってたんだよな〜。どうしたらいいですかね影山くん!」
ボク「おい便乗すんなクソチビ」
影山『は?お前も何言ってんだ?さっき居ただろ』

月島の後ろに。

言葉を理解した途端、身体がすっと冷えていくような気がした。日向も顔を真っ青にさせ、こちらを見上げてくる。忘れていたあの引っ越し初日の出来事が頭に過ぎる。
僕は後ろを振り返られずに立ち竦んでいた。
もちろん、今日は一人で帰ってきた。今このリビングにいるのも僕と日向の二人だけだ。
「影山、今、その人どこにいる…?」と日向が恐る恐る尋ねる。画面越しに首を傾げた影山が言った。

影山『さっき月島が入ろうとした部屋に入ってった』


そこ、僕の部屋ーー!!!


そうして、しばらく日向の部屋で寝泊りすることになった僕らの仲はその後急速に深まるんだけど、それはまた別の話で。



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