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267.勝手にアイス食うな。
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95 :月島蛍
2020/07/08 02:46



〆 ただの雨の日の夜


昨日は七夕だった。いろんな所でキラキラした短冊が飾られてるのが見えて、ああそういえば今日かってくらいの認識だった。
僕の部屋からは星一つ見えなくて、雨が降ったから空は真っ暗だった。願い事なんか何もないし、あのチビは神頼みが好きじゃないタイプだから願われるのも嫌だろうと思って結局願いの一つも書かないままその日は過ぎた。

日向「小学生の時にさ、給食に七夕ゼリーって出たよな」
ボク「あー…そんなのあったね。美味しかったかどうかは覚えてないケド、カラフルなやつ」
日向「そうそう。懐かしいなぁ!月島も同じやつ食ってたとかなんかウケる」

七夕に関する話はそれくらいだった。日付はすでに過ぎたから、昨日が七夕の日だと知っていたことが意外だったけど日向はやっぱり興味が無かったようで、七夕に関する話題はたったのそれっぽっちだった。それでも、小学生の頃の共通の思い出話っていうのはなんだか新鮮で。まめつぶみたいな小学生の日向が七夕ゼリーを頬張る姿を想像したらちょっと面白かった。
そんな話をしたからか、ベッドに入りながら僕は日向と小学生の頃に出会いたかったと思った。出会ったらきっと何だかんだで仲の良い友達になれていたと思う。でもきっと今の関係にはならないだろうから、二人してこの記憶のまま小学生をやってみたい。もしも、短冊に願い事を書けばどんな摩訶不思議な願いも叶うという夢のような特別な日だったなら、間違いなく僕はその日練習をサボってでも短冊に筆を走らせていただろう。

そんなありえないことを考えながら、いつもと何も変わらない一日が終わる。
もしも七夕が全国民強制参加の行事だったなら、多分僕が短冊に書いたのは「これからも日向が隣にいますように」だったと思う。過去の僕の隣にも君を置きたがる割と重めの愛にくれぐれも潰れないようにね、日向。


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