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317.ポートレイト・レター
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4 :
リヴァイ
2014/08/22(金) 19:19
時折手紙が届くようになった。簡素な手紙で、内容は至極少ない。けれどその言葉一つ一つが、嗚呼やはり此奴は狂っていると思わせる。一切表情を変える事なくこれを書いているんだろうと思うだけで、少なからず笑える程度には可笑しかった。彼奴はきっと、場所を間違えた。この世界に生きるべき存在ではねえし、それこそ人間で在る事自体が壮大な間違いだったんじゃねえかと思う。神とやらが本当に居るならば、犯した最大の失敗はそれだ。
手紙の数は三桁に届いた。それだけの年月を経た。その間に俺は壁外へ赴き、巨人を削り、血に染まり、壁内では女を作った。彼奴も彼奴で新しい趣味に夢中になり、其処に俺を引き摺り込んだ挙げ句放置し、男を作った。女は面倒な生き物だ。自然と多少は愚痴も出る。毎回のようにそれを聞きながら、彼奴は笑った。手紙の文字越しでも分かる程、明確に。
>「ええ、ええ、そうね、貴方は頑張ってるわ。成長したわね、それは認めてあげる」
彼奴は何一つ変わらず、男と別れた。俺も女と別れた。調査兵団以外に構う余裕はなくなり、行かないでと泣き喚かれる現実も御免だった。未練は驚く程無かった。
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