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325.Confeito
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5 :
リヴァイ
2014/09/03(水) 12:14
【正直クソみてえな怪談】
夏の暑い日、俺はペトラといい雰囲気になり流れで宿を取る事にした。
しかし街の宿は何処も満室、仕方なしに郊外へと出るとがらんとしたひと気のない宿を見付けた。
それは家族経営の本当に小さな宿で、俺たち以外に宿泊客はいないようだ。
フロントに入ると暗くて小さな窓からぬっと伸びる、老人特有の皺にまみれたシミのある骨が浮いた手。
暗闇に一本だけ伸びた腕は化物かと思った。人間である事を視認。
一泊分の宿泊費を支払い、代わりに鍵をもらう。ギシ、ギシ、ーーー床板の軋む不快な音とともに階段をーーーギシ、ギシ、ギシ、ーーー上がっていく。
部屋は10部屋ほどあったが、戸が打ち付けられたり立ち入り禁止の札が貼られたりで実際使える部屋は3部屋しかないようだ。
鍵を開け、部屋に入る。
何だこれは。何故ベッドの真正面に鏡があるんだ。
レイアウトが気になって仕方が無い。部屋を映す巨大な鏡。マジックミラーで撮られてるんじゃねえだろうなと疑いたくなる位置だ。
そして部屋の隅には四角いシール。…シール?近付いて見れば読めない東洋文字。
「お札…ですかね?」
ペトラが不思議そうに言う…確かにキョンシーの額に貼られているものに似ている。
少し寒気がしたので部屋から離れ風呂に入る事にした。勿論一緒にだ。支度をし、先に洗って湯船へと浸かる。
ペトラが身体を洗うのを何と無く見ていると、浴室の扉に嵌められた磨りガラスの前を黒い影が横切った。
黒い、影。高い位置を滑るそれには胴がなく、まるで生首が飛んでいるようなーーー
「ペトラ、出るぞ」
「えっ?」
不気味な影を視認した俺たちは慌てて宿を後にした、
………人類最強が女を宿に連れ込んで何もせずに帰ったってのが一番怖い話だろう。なあ。笑えよ。(震え文字)
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