あの人は、無意識なのか、意識しているのか、自分の使い方をよく分かっている。
どうすればオレが喜ぶか、本当は全部全部、分かっているんじゃないかと錯覚してしまう程だ。
だからなのか、思うんだ。
嬉しくて口許が緩んじまう事、あの人の一言一言に馬鹿みたく心臓が跳ねる事、すぐに恥ずかしさが顔に出る事も、我慢が出来なくなっちまう事も。
嗚呼、ガキだなオレ、って。
顔色を変えてやろうと、零した言葉も打ち返されて、戻ってくる。それが、年の差や経験の差のようで悔しい。
…オレは相変わらずの負けず嫌いだな。
見ていて下さいよ、オレは貴方が心底戸惑う位の良い男になります。
…オレは、もっともっと、あの綺麗な瞳をオレへ釘付けにしてやりたい。