スレ一覧
213.オシロイバナ
 ┗45

45 :リヴァイ(乱入)
2014/07/30(水) 21:50


>九月二十六日、朝一番に文で奇襲をかけ、次に此処を埋める。
>かねてよりこの機会を楽しみにしていたと言ったら、お前はどんな顔をするだろうか。


あれはちょうど一年前の早朝だった。愛想の欠片も無い俺の元にまっさらな首を捧げに来たのは。血統書付きでは無いと言いながら佇まいそのものは静かで、何故だか腹を空かせているんじゃないかと…そんな考えが一瞬過ぎった。
背伸びを意識したかのように遠慮がちな、まだ少年そのものの姿だった。

いまとなっては男らしい顔付きが目立ち始めるようになっている。俺がそうした、と。思い込むぐらいは許されるだろう。嘗ては此方が望む犬としての顔を保とうとしていた、そんないじらしさを思う度胸が熱くなる。
思う儘、感じる儘の顔を見せてくれるようになったと自惚れても構わないだろうか。

しんぞうは確かに少しずつ、一挙一動に反応し始めていた。全く意識していなかったとは言わない。慎重で、そのくせやる事は偶に大胆で本当に。飽きない、と言ったら言葉は悪いかも知れねぇが、眼が離せなかった。夢中になっていた。
同時に何時しか考えていた。もっと夢中にさせたいと。途端に欲を自覚した、好きで堪らなくなってる事も。

てにいれた筈だってのに何時も足りなくて、欲しい欲しいと口にする。向けられる感情、自分が抱く感情、息が詰まりそうな程の幸福感を覚えても、一つ瞬きしちまえばやっぱりまた繰り返す。本当に、好きだ。
だからその口から、手から、眼から、零れ落ちる物は何だって欲しい。今じゃ違う意味で眼が離せない。

るいをみない程に言葉を考えた。思考を練って、時には字引を片手に筆を執るのは初めてだった。新たな知識も増えたが俺は相変わらず遠回しな表現ばかり選び…結果、時間を掛けて擦り合わせる事も少なくない。抱き寄せればきっと済む話でも、だ。
それでも自分の言葉で伝えたかった。周りにどれだけの顔がいようと、届けたいのは俺のお前だ。

愛してる。エレン。


――俺とお前の一年を記念して、そして遅ればせながら花丸に対する褒美の言葉を贈る。
拙い文字面になっただろう、多少は眼を瞑ってくれ。


[削除][編集]



[戻る][設定][Admin]

WHOCARES.JP