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63 :リヴァイ
2015/10/17(土) 21:47

#不可欠を知る。


つらつらと。

秋を身近に感じ始め、冬を見据えた頃になると自然と…初々しかったお前を思い出す。
今はすっかり甘やかされる事に慣れた、可愛い飼い犬だ。
本人は一人前の男として見てもらいたいらしいが、どうだろうな。
お前が俺と同じ歳になったとしても年齢そのものも然り、本来の生真面目さからして部下気質な部分は変わらねぇだろう。其れに、とっくに男として頼りにしている。夢中にもなってる。

飼い犬に向ける情として相応しくない感情を抱いたと、そう自覚したのはちょうど二年前のこの日にあたる。
其れ迄にお前がどのぐらいの想いを抱えていたのか…到底計り知れない。何時だったか、此れについては先輩だと言っていたな。確かに待たせる形になっちまったが、勘違いじゃなけりゃ恋人としてお前を手に入れた日だ。エレン。
そして髪先一本から足のつま先迄全部、お前のモノになった日だ。

全て覚えてる。一枚のスカーフをやたらと丁寧に受け取った姿や、栞を作る俺の隣で俯いた横顔。
…到底想いを告げるに程遠い告白に対しての表情だとか。ああ、どういう類かは公言を差し控えておく。お前は分かってるだろうからな。

エレン。薄情に聞こえたなら謝るが、出会った当初は元から首輪を外しちまえば清算される関係だと思っていた。俺はこの相手だと決めれば自分自身の中心に据え置く嫌いがある。そんな存在を作るのは避けたかった。
だが惹かれたモンは仕方ねぇだろう。聞こえない、と言われたが告げる側としたら本当に必死だった。お前の全てが欲しくなった。身体も心臓も、眩しい程の視線も思考も一寸先の未来さえ。

季節が二巡した今も尚其れは変わらないし、傾向は強まるばかりだ。――先日渡した文については情けない話、葛藤が伝わっていたらしいが。エレン。お前の我儘は俺を喜ばせるだけだといい加減覚えるべきじゃねぇのか。それとその影響力も。

恋文だか文句を言いたいんだか纏まりの無い一頁になったな。仕舞いにしよう。
詰まる所、表題の通りだ。エレン、首輪を外す選択を持たないでくれて、感謝してる。愛してる。



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