醒めない夢と冷えたレモネード

ふたりの休みがたまたま被って、せっかくだからと街に繰り出す。他愛もない話をしながら、目に付いた喫茶店へふらりと立ち寄り、アイスコーヒーを掻き混ぜるその綺麗な指先を目で追いかける。特別なことは何も無いのに、なんだか夢のようで。彼の一挙一動を目に焼き付けたくなってしまう。分厚いガラス窓から差し込んだ陽がすこしずつ傾いて、『随分長居しちゃったね』なんて笑う彼が、泣きそうなほど愛おしかった。

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