Yahoo!ショッピング

スレ一覧
百物語(閲覧注意)
 ┗76

76 :仁王雅治(庭球)
2014/11/23(日) 16:54

あー…語らんと出られンとか、無いじゃろ。
真田が怒ると怖いンぜよ。
まぁ、平手と説教は回避するがな。

──────さて、此れは俺の実体験よ。耳かっぽじってよォく聴いときンしゃい。

ありゃ、中学に入って間もない頃。

親も誰も居らん、一人で家に帰って来た時の噺よ。


その日は帰っても誰も居らンけェ、親の代わりに風呂掃除をせンとならンかった。


普通に風呂の掃除を終わらせて、泡を洗い流そうとしとったンよ。
そしたら耳許で…



>────お兄ちゃん…



と、聞こえたンじゃ。


聞いた途端、一瞬息が止まった。
返事すら出来ンかった。
返事をしたら連れて行かれる、と思ったきに。


有り得んだろ、家と道路の間にゃ誰のか分からん畑が有るから、こっちに話し掛けるとしてもある程度大きな声を出さんと届かん。


なのにその声は小さな声で囁き掛けて来たンじゃ。

そしてその声は家族の誰とも違う、五歳位の女の子の声だったンじゃけェ。


─────俺の噺は此処迄よ。

やっと部活に行ける。じゃーな。

ああ、そうそう。


#怪談は冬場にすりゃ、夏より多く霊が寄って来るそうナリ。

(蝋燭一本吹き消し、扉を開けて立ち去り)

[削除][編集]



[戻る][設定][Admin]
WHOCARES.JP