愛の呟き*～想いを君に～*弐

997 :歌／仙／兼／定(刀／剣／乱／舞)
2017/06/08(木)　17：52

今更、僕に何かいえる資格があるだろうか。

忙しさを理由にして、君の元から離れたけれど『これが片づけば戻れる』、『君の元に帰れる』って、言い聞かせて、したことのない無理もして、頑張ったはずなのに、全てが片付いて、気付いたら…。後戻りできない程に、時が経っていた。
あの日ほど、自分の周りを取り巻く環境を憎んだことはない。
今からでも、ごめんって言って戻ろうか、でも、今更どんな顔をしたらいいだろう。それが解らなくなったんだ。
…あなたは優しいから、きっと許してくれるだろうと思って。その優しさに甘えてしまうのもなんだか申し訳なくて、…そう考える内にまた、後戻りできない程の時が経っていた。

随分前、ここに久し振りに帰ってきて、帰ろうか迷いながらフラフラしていたとき、貴方の名前を見かけて、違う誰かの隣に、貴方の名前が並んでいるだけで、胸が苦しくなった。ああ、僕じゃない、って。
今でも貴方の名前を見かける度に、あの幸せだった日々を思い出して、どうして隣に貴方が居ないんだろうって、泣きそうになる。
後悔と、申し訳無さと、愛しさ。もう、笑えるくらい、押し潰されそうさ。
寂しい思いをさせたのは僕だというのに、浅ましく、滑稽だろう？風流じゃないね。

今でもまだ、愛しているんだ。
僕だけの主。僕だけの殿下。
ごめん、本当にごめん。

言い損ねたのはさようならなんかじゃない。
ただいま。これだけが…言いたかったのにな。

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