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東方逃現郷
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13 :
アイリス(創作
)
2016/09/30(金) 01:00
「――だから今後は軽はずみにそんな行動をとっちゃだめ。それで自分だけならまだしもこうして周りにも――(略)――」
「あ、あの、悪魔の子が……」
「こら!ちゃんと聞いて!そうやって誤魔化す癖がついちゃったら自分が損をするんだからね」
「……」
幻月が戻ると、そこには地べたに正座させられてお説教を受けるライゼスと、
彼女の前に仁王立ちで延々と説教をしているアイリスの姿があった。
自分が先の妖怪に話を通してここまで戻って来るまでの間にずっと続いていたのだろうか。
幻月の声かけにも気付いた様子なく説教を続けている。
ライゼスはすっかり萎縮してしまって体をそわそわさせている。
あれはおそらく説教に辟易しているのもあるのだろうが、それ以上に相当に足が痺れているんだろう。
こちらに気付いたライゼスが泣きそうな目で助けを求めてきていた。
アイリスの方はこちらに気付いた様子もなく延々と話し続けていて、放っておくといつまでも続けていそうだ。
どうやら助け舟を出さないとライゼスは本当に泣くまで許してもらえなさそうである。仕方ないね。
ふわりと舞い上がってアイリスのすぐ背後に舞い降りる。熱が入った彼女はこの距離でも全く気付いていない。
スゥッと肺いっぱいに空気を溜め込んで――
「た・だ・い・ま!」
「――私の知り合いにもそうやってわひゃあ!? あ、お、お帰りなさい。びっくりしたぁ」
耳元で叫んでやると説教に夢中の彼女も流石に飛び上がって尻餅をついてしまった。
ちょっと悪いことをしただろうか。手を差し伸べて立たせてやる。
その後ろでライゼスはやっと開放された正座を崩し、そのまま体ごと崩れ落ちて悶え苦しんでいた。
「とりあえずあの子には話を通してきたし、一応許してもらったからもう大丈夫だと思う。今後は気をつけてね」
「話をつけてって、話が通じる相手なの?」
「あ・く・ま、ですから!そのくらいできるよ。
とりあえずここでまた野良の妖怪に襲われてもつまらないし、人のいるところに移動しないかな? そっちの子も行ける?」
「本当にコスプレなんかじゃなかったんだ。……って君は何してんの?」
「だ、誰のせいよ!」
生まれたての小鹿のように足を震えさせて立ち上がる姿は同情を禁じえないが、立ち上がれたのならその内回復するだろう。
ライゼスの足を考えて幻月はゆっくりと人里へと足を向けたのだった。
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