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東方逃現郷
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23 :
アイリス(創作
)
2016/10/16(日) 15:13
「ふむ。君の妹か。……仏だろうと天使だろうとまずは実際に会ってみない事にはなんとも言えんが、
元よりこちらから喧嘩を売るつもりもない。一応気には留めておこう」
「幻月の妹かぁ。改めて考えるとどんな子なんだろうね? まさに女神って感じかな?」
「いや、逆に幻月の分の悪魔要素も取り込んでサタンばりの悪魔なのかも。なんか物騒なこと言ってたし」
「あなた達ねぇ……」
こちらが黙っているのをいいことに言いたい放題だ。あの子は本当に今の状態だとどうなるかわからないというのに危機感が一切足りていない。ここは一度ガツンと言ってやるべきか。
「本当に笑い事じゃないんだってば! あの子は本当に私みたいなほんの一部の気を許した人を除いて全部どうでも良いって思ってる節があるし、
こんな人里なんてちょっと夢月の機嫌を損ねたら消し飛びかねないんだよ?」
「そこまでなのか? 幻月を見ていると正直想像つかないが……」
「本当にそうなの! とにかく、絶対にあの子を怒らせちゃだめだからね!」
十全に納得させられたような手応えではないが、それでも多少の危機感は伝わったようだ。
まだまだ言い足りないところではあるけれどひとまずはこの辺にしておこう。
「まぁ君の妹は実際に現れたときに対処すれば良いだろう。まずは妖怪の山へ向かうにしても何かと準備も要るはずだ。
ここなら現状、妖怪に襲われることはないし、まずはゆっくり準備を整えていくといい」
「そうね。う~ん……じゃあとりあえず太陽が中天に差し掛かるくらいにここに集合って形にして、まずは里の中を見て回ろうよ。迷子になっても外に出たりしなきゃたぶん大丈夫だろうし」
ちらりと上空を見上げたアイリス。彼女は細かいところまで記憶に刻み込むことができると言う。おそらく彼女なら太陽がどの程度傾いたか完璧に把握できるのだろう。
だが、それを他の面子にも同じように合わせろというのは少々酷だと思う。
「……まぁおなかがすくくらいに戻ってくれば良いかな」
「そうね。じゃあとりあえずお昼時くらいまで自由行動ってことで」
「あ、あれ? 完璧な時間合わせだと思ったのに受け入れられてない!?」
さくさくと歩いていく二人に戸惑うアイリスに、その場に残った慧音だけが生暖かい眼差しを送っていたのだった。
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