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琥珀の多幸感は然れど耽溺の音に蕩け…
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46 :我/妻/善/逸(鬼/滅/の/刃)
2024/08/05(月) 21:32

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……、…っ……。

あ、あれ?

待って…此処、何処なの?
俺、任務で街の中に居た筈だけど…っ!?

…あっ。

# そういえば。
# 夜になると鬼が出没するだの…
# そんな噂が飛び交う街で、話を聞いて回ってたんだっけ。

# それで…──、……。

# …そうだ。
# 偶々…耳に聞こえた其の声が。

# 兎に角、嫌で…
# 嫌で、嫌で、
# 嫌で、堪らなくて…。

# 道の途中で吐き気がして、其の後…

# ……あぁ、思い出した。

# 倒れたんだ、俺。

# 今、冷静に思えば。
# 耳に残っている音を思い起こせば。

# 倒れた後、誰かの声が聞こえて…
# 何処かに運ばれて。

えーと…。

それで、此処…は?

# !?

──…っ、ひぃ!? な、な、なっ、ななな何の音ぉ!!?

あれ!? もしかして村/田さん?



あ…、は…はい! 何とか。
もしかして俺の事、運んでくれたのも…──、や、やっぱり?
すみません、ご迷惑を掛けちゃいまして。

……。

# ………っ。

い、いやですね…任務続きで中々、眠れなくって~。
気が付いたら道の真ん中で寝ちゃってたみたいでして…
あはは…っ、…情けない話ですよね。

気絶すんなら、せめて鬼と対峙中だけにしろって?
村田さん…それ、俺に死ねって言ってます??

# ──…まぁ、倒れた理由なんて言える訳…無いよな。



それより、此処は何処なんです?

えっ…親切な男の人が部屋、を…?

# …大丈夫なの? それって…

倒れた俺を担いでいたら、声を掛けられて。
目が醒める迄…此の部屋を使っていい、と…。

# ……、…。

…村/田さん、すみません。
俺はもう大丈夫なんで、此処…早く出ましょ。

何で、って……あまり厄介になるのも悪いですし?
鬼の情報も聞いて回らないといけないですから…
早く出ましょ、此処から。

っ…だから、大丈夫ですってば。
俺、弱いですけど一応…身躰、鍛えてますから!
──~…っ、だ…だから…! あぁ"っ…もう。

# ──…足音がする。 まだ、遠いけれど。

# でも此の音は…解る。 此の音は…
# 此の、音は…

いいから、俺の話…聞いてください。
走れますよね、村/田さん?

黙って先に…今直ぐ、此の家を出て下さい。
村/田さんが無事に離れたのを確認したら、俺も後を追います。
訳は…聞かないで下さいね。

> ………。



あぁ、…流石は先輩だ。 行動が早い。
思えばお礼…言い損ねちゃったな。
後で追い付いたら、ちゃんと言わなきゃ。

そろそろ…かな。
此れ位、離れてくれれば…──

# 音が一気に近付いて来る…もしや、バレた?

シィィイイ…───

# …いいよ。

# 俺には、" 慣れた事だから "。

でも、村/田さんを…
俺以外の誰かを、" そんな世界 "に巻き込む事だけは許さない。



# ……。



ご、ごめんなさいねっ…村/田さん!
さっきはいきなり、走れだなんて言っちゃって。

えっ…、さっきの人にお礼はいいのか…って。

そ、そんなのいいの! だって俺達…帯刀してるんですよ?
鬼/殺/隊は政府、非公認ですし。
それに…さっきの人、警/察…呼ぼうとしてたんですから。
だから逃げるのは当然でしょ?

それよりも、良かったら一緒に鬼の情報でも集めません?
村/田さんが居ると心強いなぁ…なんて。
それと、さっきはありがとうございまぁ~す!


# 村/田さんは、別の任務の帰りだったらしい。
# 其の際の近道に此の街を通ったみたい。
# 俺を先に見つけてくれたのが彼で良かった。
# そうじゃなかったら俺、今頃…どうなってたんだろうね。
# 想像、したくもないけれど。

# 華やかな街の裏の姿を知るのは、俺だけでいい。
# …俺だけで。


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