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琥珀の多幸感は然れど耽溺の音に蕩け…
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我/妻/善/逸(鬼/滅/の/刃)
2024/08/05(月) 21:32
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……、…っ……。
あ、あれ?
待って…此処、何処なの?
俺、任務で街の中に居た筈だけど…っ!?
…あっ。
# そういえば。
# 夜になると鬼が出没するだの…
# そんな噂が飛び交う街で、話を聞いて回ってたんだっけ。
# それで…──、……。
# …そうだ。
# 偶々…耳に聞こえた其の声が。
# 兎に角、嫌で…
# 嫌で、嫌で、
# 嫌で、堪らなくて…。
# 道の途中で吐き気がして、其の後…
# ……あぁ、思い出した。
# 倒れたんだ、俺。
# 今、冷静に思えば。
# 耳に残っている音を思い起こせば。
# 倒れた後、誰かの声が聞こえて…
# 何処かに運ばれて。
えーと…。
それで、此処…は?
# !?
──…っ、ひぃ!? な、な、なっ、ななな何の音ぉ!!?
あれ!? もしかして村/田さん?
あ…、は…はい! 何とか。
もしかして俺の事、運んでくれたのも…──、や、やっぱり?
すみません、ご迷惑を掛けちゃいまして。
……。
# ………っ。
い、いやですね…任務続きで中々、眠れなくって~。
気が付いたら道の真ん中で寝ちゃってたみたいでして…
あはは…っ、…情けない話ですよね。
気絶すんなら、せめて鬼と対峙中だけにしろって?
村田さん…それ、俺に死ねって言ってます??
# ──…まぁ、倒れた理由なんて言える訳…無いよな。
それより、此処は何処なんです?
えっ…親切な男の人が部屋、を…?
# …大丈夫なの? それって…
倒れた俺を担いでいたら、声を掛けられて。
目が醒める迄…此の部屋を使っていい、と…。
# ……、…。
…村/田さん、すみません。
俺はもう大丈夫なんで、此処…早く出ましょ。
何で、って……あまり厄介になるのも悪いですし?
鬼の情報も聞いて回らないといけないですから…
早く出ましょ、此処から。
っ…だから、大丈夫ですってば。
俺、弱いですけど一応…身躰、鍛えてますから!
──~…っ、だ…だから…! あぁ"っ…もう。
# ──…足音がする。 まだ、遠いけれど。
# でも此の音は…解る。 此の音は…
# 此の、音は…
いいから、俺の話…聞いてください。
走れますよね、村/田さん?
黙って先に…今直ぐ、此の家を出て下さい。
村/田さんが無事に離れたのを確認したら、俺も後を追います。
訳は…聞かないで下さいね。
> ………。
あぁ、…流石は先輩だ。 行動が早い。
思えばお礼…言い損ねちゃったな。
後で追い付いたら、ちゃんと言わなきゃ。
そろそろ…かな。
此れ位、離れてくれれば…──
# 音が一気に近付いて来る…もしや、バレた?
シィィイイ…───
# …いいよ。
# 俺には、" 慣れた事だから "。
でも、村/田さんを…
俺以外の誰かを、" そんな世界 "に巻き込む事だけは許さない。
# ……。
ご、ごめんなさいねっ…村/田さん!
さっきはいきなり、走れだなんて言っちゃって。
えっ…、さっきの人にお礼はいいのか…って。
そ、そんなのいいの! だって俺達…帯刀してるんですよ?
鬼/殺/隊は政府、非公認ですし。
それに…さっきの人、警/察…呼ぼうとしてたんですから。
だから逃げるのは当然でしょ?
それよりも、良かったら一緒に鬼の情報でも集めません?
村/田さんが居ると心強いなぁ…なんて。
それと、さっきはありがとうございまぁ~す!
# 村/田さんは、別の任務の帰りだったらしい。
# 其の際の近道に此の街を通ったみたい。
# 俺を先に見つけてくれたのが彼で良かった。
# そうじゃなかったら俺、今頃…どうなってたんだろうね。
# 想像、したくもないけれど。
# 華やかな街の裏の姿を知るのは、俺だけでいい。
# …俺だけで。
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