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科学少女は幻想少女の夢を見るのか?
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48 :マエリベリー・ハーン(秘封倶楽部)
2014/05/04(日) 14:13

夢で見た、とある愚かな魔法使いのお話。
 
 
飛ぶ事が大好きで、箒でフラフラと散歩をするのが大好きだった魔法使いは、ある日壁の中にいる少女と出会いました。自分とは違うものを沢山持っている少女に惹かれた魔法使いは、フラフラと散歩をするのも忘れて毎日毎日少女を訪れ、やがて少女のそばを離れずに一日中其処に入り浸るようになりました。
 
ですが、魔法使いは魔法の研究をしなければなりません。ご飯を食べる為に、少女に美味しいおやつを買ってあげる為に、人から受けた依頼をしなければなりません。それはいつもうまくいくとは限らず、時には魔法使いの心が疲れるような事もありました。
 
ある日。
少女がいつものように楽しくお話をしてくれているのに、魔法使いは心が疲れていていつものように反応してあげられませんでした。挙句の果てには、少女を遠ざけるようなひどい事を口走ってしまったのです。
口走ってから魔法使いは自分の言った言葉の刃の鋭さに気付きましたが、最早後の祭り。あんなに笑顔だった少女の顔は悲しみに歪み、瞳は光を失って、魔法使いを見てくれなくなりました。
 
魔法使いはとても勝手でした。
魔法使いはとても愚かでした。
魔法使いはとても嘘つきで、でも独りが大嫌いでした。
 
魔法使いはとても少女が大好きでした。
 
 
次の日、少女を訪れると、少女を取り囲んでいた壁は高く聳え、幾重にも巡らされていました。
 
魔法使いは泣きました。
自分の罪の重さに気付いて泣きました。
 
少女の姿が見えず、独りが怖くなり、魔法使いは少女に似たある女の子に声をかけました。
ただ、独りでいると夜の闇に食べられそうだったのです。ただ、それだけでした。話し相手が欲しくて、そこにいた女の子に声をかけただけでした。
 
でも、それは壁の中の少女の心を壊してしまったのです。
 
 
壊してしまった心の欠片を集めようとしてもうまくいかない。
愚かな魔法使いは何度も何度も謝りながら、それでも手を動かして、一欠片でも欠片を拾おうとしました。
 
藁をも掴む思いで、
自分が壊してしまった少女を、
救おうと、
許しを乞おうと、
勝手な行為を繰り返しました。
 
 
 
――ねぇ、蓮子。
この物語はハッピーエンドだと思う?
それはね、最後まで聞いてのお楽しみ。
 
見て、頁はまだあるわ。
続きはまた後で。

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