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アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/25(金) 01:56
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時刻は深夜、お屋敷の廊下。
蝋燭の炎が私の影を照らし出す。影は長く伸びて炎が蠢く度にその黒を燻らせてロンド。
影の先─廊下の奥へと視界を上へ、すると目の前に広がる闇。引きずり込まれそうな程深い闇に、鈍い眠気で重たい瞼が自然と持ち上がるのと同時に全身の皮膚が硬直して脳からは、けたたましく警鐘が鳴り響く。「五感を使え、危険を回避しろ」。
眼下には闇、夏の湿った匂い、燭台の冷たい感触、緊張により分泌され始めた乾いた唾液。
─が。
音が聞こえない。虫の音も木の葉が触れ合う時の騒めきも自らの呼吸音でさえも。
不意に、ぽた───と、音。
橙に照らされたブーツにできた黒い染み。
床に落ちた液体は……………………
>……………やぁね。汗よ、汗
茹だる程の熱帯夜。本当、なんて素敵なのかしら!
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